小宇 応援報告 17 ◆『冰雨火』中国ドラマレビュー
ついにこの『冰雨火』応援報告 も最終話の後半、大詰めの大詰めになりました。長い長い感想?暑苦しい布教?をお読みくださってる方には感謝しかありません。本当にいつもありがとうございます!
ただ、こう言っておいてなんですが、実はこの最終話の後に番組の粋な計らいがあり『番外編』という短いボーナス映像を付けてくれたのです。この記事のあとはその『番外編』についても書く予定なので、あと2回!お付き合いいただければ嬉しいです。
今回は当然ながら盛大にネタバレあると思います。すみませんがこれから視聴される予定の方はくれぐれもご注意ください。
一斉検挙にむけて作戦開始!! ep32 最終話
云河では重装備の警察部隊が続々と密造拠点に近づきつつある。
陈副总は改めて、完全なコントロールの元で云河、勐佧、香港の警察が一斉に動き、麻薬密売組織を一網打尽にするというゴールを指令本部に確認する。
そして「作戦開始!」の指示が下される。
勐佧では現地の警察部隊と武装組織とが重火器も交えた銃撃戦となる。しかし力の差は歴然、すぐに拠点中心部まで警察が入り、静かに仏壇に手を合わせていた琼姐には手錠がかけられる。
香港でも包囲網は整い現地警察が拠点に侵入。銃撃戦の末、老卓らは捕らえられる。
そして云河。じりじりと包囲網を狭め遂に突撃命令が下る。まず斥候が出動し敵方の監視役を倒していく。蓝安然も防弾チョッキに身を包み銃を構えて突撃する(カッコいい!)
続々と逮捕される密造組織の人間たち。密造薬物は押収されていく。
このあたりの映像は映画並みの規模で見応えたっぷり。緊迫感が徐々にピークに達する。
一方、時計を気にしながら警察の到着を待っていた小宇のいるラボに吴振峰が骨头の頭にピストルを突きつけながら押し入ってくる。
状況を察した小宇はすかさず二两哥からピストルを奪う。
驚いたのは杨兴权だ。小宇のことは半信半疑ではあったが、完全に不意打ちを食らった格好だ。
「俺の肩書はまだ警察官だ!」と小宇はここぞとばかりに言い放つ。
「ついでに教えてやる。この薬は偽物だ」
杨兴权、しくじったと歯ぎしりするも、もう遅い。
しかし、早く到着し過ぎた峰哥。警察の援護はまだ来ない。
仕方ない。ここは逃げるしかない!
機関銃を持って追う二两哥ら。
于大夫はあえなく逮捕される。
原野を逃げる二人。機関銃を撃ちながら追手が迫ってくる。
途中、ブルーの大きな水タンクに隠れて体勢を整える峰哥と小宇。しばらくタイミングを見計らってから目と目で合図を交わし、それぞれ反対方向へと一気に反撃に出る。意思の疎通はばっちりだ。
ハラハラ! ドキドキ!
でもカッコいい!! ここもドラマ中の一二を争う名場面だと思う。
茶工場内の東屋では警察が迫る中、杨親子が最後のお茶をしている。
チェロの調べが物悲しく響く…
「パパ、最後のお茶よ」
そう決然とした表情でいう玲玲。本当に彼女は勇気があって、困難にも負けない意志の強さと行動力が素敵な人だった。
そこに警察が到着する。
林德赞に逮捕される杨。
このシーンは『小宇 応援報告 4』のこちらに詳しく書きました。視聴後まもなくだったので、今よりもっとホットな感想ですが(笑)
何度見ても涙を誘うシーン。
玲玲 役の郭晓婷、そしてやはり林德赞 役の王劲松の、静かで穏やかでありながらも、役柄に毅然とした一本の芯を打ち出すことのできる名演の賜物だと思う。
短くて何気ない言葉なのに、胸の奥からグヮーっと感情を揺り動かされるような一言を発する役者さん。名優ってこういう人のことをいうのだろうなとしみじみ…。
そしてラストシーンへ。
峰哥と小宇 ep32 最終話
最後の章にはもっとマシなタイトルを付けたかったけど、このシーンを短く言語化することができない。そんな感動と涙のラストシーン(涙)
原野で機関銃を持った二两哥と骨头らに追われる二人。二两は骨头を別方向に走らせ挟み撃ちを狙う。
少し離れた木の陰に、それぞれ隠れる小宇と峰哥。
二两哥は弾を込めつつ機関銃を乱射しているので、周囲は情け容赦ない銃弾の雨だ。
もう猶予はない、と警察官の勘が働いたのか。先ほどの水タンクの時とは違い今度は峰哥と合図を交わさずに先に小宇が幹から撃って出る。銃の腕前が上である自分が先に反撃することで、吴振峰を守ろうとしたに違いない。
がしかし、それを見て峰哥も樹の幹から出てしまう。そして…
先ほど二手に分かれた骨头に後ろから撃たれてしまうのだった………!(泣ー)
その瞬間ようやく警察部隊が到着し、追手を一気に一掃していく。
作戦本部では上空からのドローンカメラで状況を逐一確認している陈副总ら。
吴振峰を守ることを絶対命令とし、彼のこれまでの献身を特別に評価し、恩を感じてもいる陈副总は、彼が撃たれてしまったショックを隠し切れない。
見ているこちらも彼の表情が辛い(涙)どんなに残念で悲しかったことだろうか…
峰哥を背中に担いで「持ちこたえろ!」と必死に声をかけ続ける小宇。
今までの二人の映像が交互に流れる。
峰哥が苦痛の中にありながら、ある種の安らぎの表情で
「お前の制服姿は本当にイケてるぞ」
という言葉も、答える小宇の
「着て見せるから、頑張れ!」
という言葉も、涙なしには観られない。
「持ちこたえろ!」「何か話せ!」「眠るな!目を開けろ!」「頑張れ!」
頑張れ!!!
吴振峰ー--!!!
何度見ても涙、涙、涙、涙、涙
このシーンもこちらに詳しいのでよろしければ。
小宇の、何とか救いたいという必死の表情。
峰哥の、苦しみながらも小宇を守ることができた安堵の表情。
陈晓と王一博、全編通して本当にいい演技だったと思う。
緑の原野、二人をドローンカメラが上から追い、そこに麻薬犯たちの罪状を記したテロップが流れていく。
物語の結末はここで終わりだ。
吴振峰は助かったのか??それとも??
描き方としてはかなり絶望的。陈副总の忸怩たる表情も相まって悲観的な想像をさせるエンディングとなっている。
正直なところ、彼の生存云々というよりも最後にこの二人の気持ちが通じ合い、お互いを守ることに命を懸け、決して麻薬を許さないという強い信念を貫いて行動したということ、それこそが大切なことだという気がしている。もちろん言うまでもなく生きていてほしいと強く願う。
ただ通して2回目視聴の今回も、わたしのエンディングに対する感想は、ただただ涙と共に胸の中に熱いものが渦巻き、二人の想い、そして登場人物たちそれぞれの愛や葛藤や、麻薬撲滅に対する強い気持ちや勇気ある行動、そういったものが心に強く残る、そんな深い愛の物語の素晴らしい回収だったなということだ。
因みに上記『小宇 応援報告 4』ラストシーン でも書いたが、エンドロールで流れる麻薬犯の刑罰については、ほとんど全員が極刑だ。
このドラマはお国の関連部門の協力の下に撮影されていることもあり、啓蒙的な要素も含まれている。だからそういった意味で、万萌萌ら麻薬常習者の末期もかなり悲惨なものとして描かれている。
随所に、怖いのは薬そのものよりも売人たちだという台詞も出てくるし、一度麻薬に手を染めた者は一生を台無しにするのだ、という刘恺华の甥に向けた言葉も痛々しかった。
どこの国であっても違法な薬物は「ダメ。絶対。」だと思う。
その面でも、意義あるドラマだったのではないだろうか。
長々とお付き合いいただいたこの中国ドラマ『冰雨火』レビューも終わりに近づきつつあります。
でも!冒頭でもお伝えした通り、あと1回だけありますので、どうぞ最後までよろしくお願いします(笑)
最後に于医師、Dr.U こと赵煊さんがドラマの最終話配信日に微博にアップしてくださった舞台裏の微笑ましい画像を掲載させていただきます。
撮影中は若手みんなでスケートボードで遊んだそうな。
楽しそうです! 楽しい現場からはいい作品が生み出されますね!
お読みいただきありがとうございました!