小宇 応援報告 18 ◆『冰雨火』中国ドラマレビュー
中国のプラットフォーム优酷で配信された『冰雨火』
最終話の32話が最速で完結したのは2022年9月7日でした。本来のスケジュールではVIP会員の9月16日が最速の予定でしたが、理由は分からないけど7日になって突然「最終話クロージングセレモニー」なるものがライブ中継されました。
そこでは監督や俳優さんたちが生(王一博はビデオ出演)で作品についての想いを語るなど楽しい番組だったのですがその後すぐ、残りの26話から最終32話まで一気に7話が繰り上げ配信(有償)となりました。
わたしが最終話を観終えたのは9月10日。そしてその翌週の16日、VIP会員の最終話配信の後、今回のテーマ「番外編」がまたしても突如追加されたのです。
あちらの国は予定を変更するハードルがとても低い!
それがいいこともあれば、突然過ぎて慌てちゃうこともあり、わが国のスケジュール厳守の習慣で生活してるわたしたちは戸惑うことも多々なのであります(笑)
なぜこんなことを長々説明するかというと、この「番外編」を鑑賞するタイミングは本編の印象に影響すると思うからです。
最終話の直後、まだ本編の怒涛の感覚が残っているうちに観るのと、最終話の視聴が終わって、頭の中が整理され感情も落ち着いた段階で観るのと(わたしの場合はこちら)では、本編の受け止め方に大きな違いが出てくるのではないか。
だからその配信(放送)タイミングはとても重要だと思いました。
因みにこのボーナス的なコンテンツは日本上陸の際に放送されるかどうか微妙だと、個人的に推測しています。本作はあくまでも32話なので。
blu-ray化される時にはBTSが付くのと同じような感じで付加されるかもしれません。同時期に放送してくれることを願ってはいますが…
そんな、内容です!
だからネタバレはありです!未視聴の方、特にこれから本編を視聴予定の方はご注意くださいね。
一年後。 ところは国外
あの涙涙の最終話。生死を賭けた闘いのあと傷ついた吴振峰をおぶって救出する陈宇。
その、ある意味重たい空気感とは一変した明るい陽光を感じさせる画面が、いきなり出現する。
コケコッコー!と闘鶏の鶏が飛び交っている。
とある室内で捜査にあたっているらしい小宇。そこにならず者たちが乱入して来たかと思うと、あっという間に乱闘になる。
どこかコミカルな映像。カッコよくケリを入れたりして敵を倒している小宇だったが、銃を持った相手に盾にしたテーブルを挟む形で追い詰められてしまう。
絶体絶命!
危うし小宇!
そこに窓からひらりと黒い服の男が入ってくる。その登場シーンはかつてのハリウッド映画のヒーローものさながら。
そう、それは吴振峰。
峰哥であった!!
そこからは二人して敵をやっつけ…… ずに逃げる!
かごに入った鳥の白い羽がブワーっと舞い上がったり、赤や青や黄色の色鮮やかな粉が飛び散ったり。とにかく派手。大豆コロコロ攻撃もあり(笑)
横道から大通りに出ると民族衣装の女性たちが踊りながら練り歩いている。異国情緒たっぷりな亜熱帯の風景。店の看板には英語が並ぶ。
するとどこからともなく現地の警察がわらわら集まってきて、ならず者たちを捕まえてくれる。
ほっと一息付いた二人は
「遅かったじゃないか!」
「お前がそういったんじゃないか。5分やっただろ」
と口喧嘩。
「まぁいいさ」
「今からどこ行く?」
にぎやかな通りを歩く二人の、微笑ましい会話で映像は終わる。
希望の福音
そう。この映像何がいいって助からなかったかと思った吴振峰が元気で、しかも陈宇と組んで悪者をやっつけているのだ。
なんてことない3分半の、ややおふざけ感もただよう短編だが、あの最終話で辛い涙を流したわたしにとっては「福音」以外の何物でもなかった。
それはたぶん、本編を観終わって1週間近く経ったタイミングで観ることができたからだと思う。
吴振峰は多分助からない。ほぼ絶望に近い。そう感じた最終話だった。でももしかしたら、運がよければ、弾は急所を外れていて助かるかもしれない。なんとか助かってほしい。
そう願い続けた1週間でもあった。
だからこの番外編は福音であり、救いだった。
これを制作し配信してくれた人達に心から感謝した。粋な計らいだった。
半面、もし本編視聴直後にこれを観たなら、あぁよかった、やっぱり助かったのねで終わり、最終話の余韻は極短いものになっていたかもしれないなと思う。
作品を観るタイミングやコンディションは、その作品の受け止め方に大きく影響すると常々気づかされる。
感じ方は人それぞれ。十人十色。
そして一人の人間の中でも観る時期によって印象も変わってくる。
だからこそ、面白いのだと思う。
すがすがしい表情に満ち足りた心境がのぞく小宇。
弟と一緒に行動できる嬉しさを隠し切れない峰哥。
全編通して二人とも本当にいい演技だった。
この国外の街、本編にもしばしば出てくるが設定はどこだろう。雲南省が国境を接しているのはベトナムかミャンマーかラオス。ベトナムとは風景も衣装も違うと思う。ミャンマーは行ったことないから分からないけど、ラオスと中国の警察が合同で麻薬組織を摘発したという報道もあったから、ラオスなのかもしれないな。
ラオスといえば2013年に一度訪れたことがあります。
閑話休題。個人的な感想としては、この短編はまさしく「番外」
本編とは切り離した次元の話だと思っている。
なぜなら場所が国外だ。彼らは警察の制服を着ているわけでもない。立場はあいまい。
映像のタッチも本編とは全く異なっていて、明るくコミカル要素を含んでいる。
なので、これは「夢の世界の話」というのがわたしの私見だけど…はたして制作者の意図はいずこに…
吴振峰や陈宇はそれぞれの人の心の中に存在している。
それで、いいのだと思う。
さて。
ここまで『冰雨火』の長ーーーい、暑苦しーーーいレビューを書かせていただきました。
お付き合いくださった方、本当にありがとうございました。
心からの感謝を申し上げます。
この映像の権利は既に日本の企業が取得済みなので、いずれ国内でも日本語字幕付きで鑑賞できる日がくると思います。
その時まで、いえ、それ以降も、随時書き足していく予定です。
「印象深い台詞」や、「この俳優さんのあの演技が良かった!」などなど書きたいことがまだまだ残ってるので(笑)
その時はまたどうぞ、よろしくお願いいたします!!
峰哥と小宇。
わたしにとってはこの世で唯一無二の、最高にカッコいいバディーです!!
ありがとうございました。