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正しい選択と集中とは?

前回のnoteの最後に、「幸い事業の黒字化を成し遂げることができました。」と結ばせていただきました。

それで今回は、ではなぜ黒字化できたのかを考えてみたいと思います。

私はある製品から撤退して、それを事業売却し、ある新製品に特化する戦略を採ったとお話しました。ですから、所謂「選択と集中」をしたわけです。

見込みのない製品や、赤字の製品から、撤退したから黒字化したのでしょうか?それとも見込みのある製品に集中したから黒字化したのでしょうか?

私が経験した会社だけではなく、世の中ではリストラがよく行われてきました。しかし、その中でリストラがうまくいっても、成長していない企業は結構あります。なかには、ビジネスコンサルに年間何億円も払って、赤字商品や赤字事業を洗い出すために大きなプロジェクトを立ち上げ、最終的に撤退してしまう企業がありますが、そういう企業に限って、縮小均衡に陥り、株価も伸び悩む傾向が見受けられます。

前回のnoteでもお話しましたが、自社都合だけのリストラを行っている会社は、同じようなリストラを繰り返す経営陣だけが会社に残り、縮小均衡しかできない状態になっています。

そうなんです。
集中すべきものを間違えているのです。集中すべきは、お客さんであり、世の中のニーズや社会課題です。これがないと、次の成長の原動力となる売上はついてきません。自社都合で、顧客に迷惑をかけてまでリストラをしている企業は、信頼を失います。

それでは顧客に集中すると、何がどう変わるのでしょうか? それは、顧客や社会が、あなたや企業を見る目が変わります。 顧客の考え方が変わり、信頼が芽生えるのです。そしてそれを継続して追求すると、顧客もあなたも気づかなかったような、新たな用途や、需要を見出すことができます。

私たちが運よく選択と集中から黒字化できたのも、ある顧客様の課題解決に集中してとりくみ、ついに新たな需要を発見し、その後デファクトスタンダードとなる商品開発につなげることができたからです。

世の中は、「選択と集中」というと、リストラや事業撤退の側面にばかり目が行ってしまいがちですが、是非、何に、もっといえば誰に「集中」する戦略をもっているのかを、チェックポイントに付け加えていただければ、いろいろな会社の経営力分析に役立つと思います。

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