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#17 味噌づくり

DAY17。
今年で14年目の味噌仕込み。

最近は、お味噌を作る人がかなり増えてきた印象ですが、皆さんの周りはどうでしょう。ここ八ヶ岳では、手仕事好きの方が多く、知り合いの多くが麹から手作りしています。私も、前に作った米糀が冷凍庫に残っていたので、それを使ってお味噌を仕込みました。

味噌づくりを勧める理由

さて、台所で何か手作りしてみようかな、というとき、味噌づくりはおススメです。理由はいくつかあるのですが、

料理の腕が上がる

これは、調味料全般について、いえます。
本物の調味料は値がはる。ので、作る。
すると、材料を吟味して作った調味料は、当然、めちゃめちゃ美味しい!(「手前味噌」ですね)
美味しい調味料を使って作ると、毎日の食卓がグレードアップします。
おやつを毎日手作り・・毎日ちゃんとした献立を・・と思うと、なかなか大変。そこを、本物の調味料を使うだけで、グンと料理の腕があがったかのように、美味しくなるんです。

失敗しにくい

結婚した当初、色々作ってみたかった私がトライして、失敗しにくかったのが、味噌と梅干し。工程が簡単ということもあります。
味噌は、つぶして混ぜて寝かせるだけ。秋に天地返しをしますが、しなくてもできあがります。
失敗しないポイントさえ押さえておけば、カビも生えずにとても簡単にできます(万が一カビが生えても、こそげれば下の味噌本体は無事なことが殆どです)。
ポイント
納豆を食べずに仕込む(納豆菌は強くて繁殖しやすい)
・容器を消毒しておく

ヒーリング効果がある

手作りの調味料づくり、お料理全般について言えると思うのですが、料理は五感を使って作ります。特に、嗅覚や触覚を存分に使って作るとき、その過程で、私はとても癒されます。
お味噌づくりのときは、マッシャーで潰したりしますが、時間があれば手で潰すのもいいものです。糀と塩を混ぜるときの、ほわっとした香り。暖かい大豆と、塩切り糀を混ぜるときの、なんともいえない感触。とても癒されます。粘土遊びが好きなお子さんにも、もってこいかも!?

無理なく色んなやり方で。これまでのわが家の味噌仕込みを振り返る

味噌の仕込み。振り返ってみたら、毎年色んなやり方で仕込んできました。振り返ってみたいと思います。

  • 初めて作った頃は、あまり情報もなく、材料がキットになっているものを買って作りました。密閉できる袋(Ziploc)を使って仕込みました。キッチンの引き出しに入れっぱなしにしておいて、時間とともに色が濃くなっていったのを覚えています。このとき2009年のお味噌はまだとってあって、熟成されて味が濃いので(豆味噌のよう)、今でも大事にちょびちょびいただいてます。

  • その後、都心から郊外に引っ越して、トランジションタウンの仲間と集って作るように。季節の手仕事は、一人でやるとなかなか大変ですが、みんなで集ってやると、途端に楽しくなります。手を動かしながら、いいおしゃべりの場に。以来、味噌づくりとおせち作りは恒例となり、7,8年くらい?毎年、集まって作っていました。

  • 2011年の震災があって、(放射能含む)重金属のデトックスに、玄米とお味噌が排出を助けてくれる、と聞きました。長く寝かせた味噌が特にその効果が高く、10年味噌なども売られていたので、私も「よし」と思って、大量に仕込みました(のちに、あまり経過すると、味の方は落ち着きすぎる、うまみがなくなってしまうという印象でした。2,3年経過したくらいのお味噌が、私は一番美味しく感じます)。

  • 味噌づくりに凝って、色んな味噌を仕込んでみました。
    麹を変えれば、米糀→米味噌、玄米糀→玄米味噌、麦麹→麦味噌、となります。お豆を変えて、黒豆味噌、ひよこ豆味噌、青大豆での味噌など、色々仕込んだりしました。私は、玄米生活だと麦味噌が美味しく感じ、今は白米や分つき米が多いので米味噌が使いやすく感じています。

  • たくさん仕込みすぎて、お味噌の消費が追いつかないくらいだったときも、毎年少量ながら、その年の味噌は仕込んでいきました。みんなで作るお味噌のほかに、家で作ってもいました。ガスコンロで煮ていたので(お庭がある人は、かまどやストーブで、大鍋で炊くといいですよね)、エイやっと大豆2kgくらいを鍋でコトコト煮るときもあれば、圧力鍋で数回に分けて炊いてはつぶしたことも。

  • 子育てしながらだと、とにかくすべてが中断されがち。大豆は冷めてしまうとつぶれにくくなり、完全につめたくなると塩切り糀となじみにくくなるので、そんなときは少量ずつ。大豆500gずつ戻しては、最後まで完結させて蓋しておいておいて、また次にできるときに、続きを足して。ということをしています(今回も500gで作りました)。

味噌の作り方

では、いよいよ作り方です。減塩や麹多めなど、色々ありますが、分かりやすいので、私はずっと大豆:麹:塩=2:1:1で作っています。

作りやすい分量
大豆(乾燥)500g / 2kg
好みの麹 250g / 1kg
塩 250g / 1kg
※塩は海塩がおススメです。できれば、高温で煎られたものではなく、低温や天日干しで作られたものを。

作り方
1.大豆は24時間、3倍以上の水に浸けて戻す。水から豆が顔を出したら、水をつぎ足します。

乾燥状態の大豆
今年は、こちらの大豆を使いました。水は湧き水を使いました
水を吸って大きくなった大豆。全然違いますよね、すごい!

2.水を吸って大豆がふくらんだら、漬け汁ごと鍋に移し、汁ごと大豆が柔らかくなるまで煮ます。ふきこぼれに注意。親指と人差し指ではさんで、大豆がつぶれるくらいの柔らかさが目安。
※大鍋で煮るときは、鍋の大きさや火力によるので何ともいえないが、5時間くらいだったと記憶している。お湯がわくまでの時間もあるし、蒸発して豆が水面から顔を出したらお湯を足しながら煮るので、様子を見ながら煮る。あまりに火力が強いと、鍋底の大豆が焦げるので注意(焦げると固くなる)。
※私は、自宅で仕込む分量なら、いつも圧力鍋で煮ています。これも圧力鍋によって違いますが、私は圧がかかってから14分がちょうどいいです。その後、圧が抜けるまで自然放置します。

3.煮あがった大豆は、飯台や大きなバットなどに移し、つぶしていきます。この時、マクロビオティックでは調理法も影響すると言われおり、確かにフードプロセッサーで撹拌したものと手でつぶしたものでは、仕上がりが違うと感じるので、以来、手で、せめてマッシャーで潰すようにしています(マッシャー、あると作業が速いです)。すり鉢であたるのもいいと思います。

あたたかいうちに、大豆を潰します(冷めると固くなるので注意!
冷めてしまったら、再度温めてから潰すといいです)
大豆をつぶしたところ。

4.塩切り麹を作ります。これは、麹と塩を混ぜます。ギュッギュっともみこむように混ぜています。この状態をあらかじめ作って、保存しておいて、その後時間のあるときに大豆を煮るといいです。

麹と塩を混ぜる。手がすべすべに。
あかぎれなど傷があると、塩がちょっとしみます。

5.その後、3の大豆と4の塩切り麹をよく混ぜます。そして、味噌玉に。ハンバーグの容量で右手左手、とパスして空気を抜いて。

6.容器をリカーや焼酎などで消毒しておき、その中に、味噌玉を投げ入れます。投げ入れるのは、空気をなるべく抜くため。空気に触れているところから、雑菌が繁殖しやすいのです。

末っ子がお手伝い。投げ込んだ味噌玉をのぞき込んで、興味津々。

7.全部入れたら、グーで押して空気を抜き、表面を平らにならす。この上に、
・ラップで密閉→わさびをちょこっとのせる(かびにくくなるそう)→和紙で蓋、
とすることもあるし、
・板状の酒粕で覆うのもおススメ。酒粕で覆う場合は、天地返ししなくて大丈夫です。

今年仕込んだお味噌と、2014の麦味噌。
色の違い!

わが家の子育てと台所

上の子と下の子と、ちょうど一回り違うわが家。
食育、いのちを台所から、と思って、色んなものを仕込んだり、田んぼや畑に連れ出したり、アウトドアしたり。していた上2人が思春期に入り始めて、ひと段落したところに、わが家に三男がやってきました。

上の子たちは、自分のやりたいことができてきて、台所しごとにも、畑にも、気が向いたときしか付き合ってくれなくなりました。少し寂しくも、そんなものかなと思っていたけれど、私は暮らしを紡いでいく、なるべく自分で自分のできることをやっていきたくて。

そう考えたら、もうすぐ2歳の末っ子と一緒に、畑も台所もやっていける。さて、新しい、もう1ラウンド。お兄ちゃんたちには、声をかけつつ強制はせず、手で営みをしていくことの、背中を見せられたらいいなと思っています。

終わりに

どうでしょう。皆さんは、毎年お味噌は作っていますか。
それとも、やってみようと思えましたか?
こんな時にこうするといいよ、など思って、色々書きましたが、お味噌は難しいことありません。
大豆を戻して茹でて(なんなら、茹で大豆も売ってます)つぶして、麹と塩を混ぜるだけ。袋に入れて置いておくだけでも、できますよ。

もしまだ作ったことがなかったら、是非試してみてくださいね!

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