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#今日の短歌 言葉にならない想い
今日の短歌
「言葉なき想いは時に棘となるすり抜けていく言葉口惜し」 永麗
歌詠みにとって、限られた文字数の中で、最も的確な言葉を探すことは最大の使命である。
これぞという言葉を探し当てることができた時の感覚は、パズルのピースがはまったような、木塊から仏像が彫り出されるような、尊さともいうべき快さである。
しかし、閃光のごとく降りてくる言葉もあれば、煮込みに煮込んで選び取られる言葉もある。大抵の場合「練る」という表現が相応しく、その状況、情景を表現する的確な言葉を探し当てるのには一定の時間がかかるものだ。
これと同じことがコミュニケーションにおいても度々起こる。
気持ちがうまく伝わらない、ということが私の場合よくある。
「・・・そうじゃない」。
誤解を解くための的確な言葉がとっさに浮かばない時、
私の微妙な心の不協和音が理解されない時、
そのもどかしさが「無言」という棘になって相手を攻撃してしまう。
手のひらから零れ落ちる砂のように、言葉がすり抜けるもどかしさ。
掴みきれなかった言葉への口惜しさが苦く残る。