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#今日の短歌 母の日に寄せて~母の永遠性~

今日の短歌
「九つで亡くせし母に逢いたいと天仰ぐ母八十路の春に」 永麗

母方の祖母は90歳を超えるまで元気な人だったが、母にとっては継母であった。実の祖母という人は母が9歳の時に亡くなった。とても華やかな人だったという。

そのことを知ったのは私が小学生の頃だっただろうか。
「母は私より小さい頃に母親と死に別れていたんだ。」
という事実は少ながらず衝撃的だった記憶がある。

この歌は去年詠んだ歌である。
「ああ、お母ちゃんに逢いたい。」
と、八十になる母がある日ふと呟いた。まさに天を仰ぎながら。

「ああ、母親っていうのはいつまでも恋しい存在なんだな。」
と胸が締め付けられるような切なさを感じた。
私もいつか母を恋しく思う日が来るのだろうか、という切なさ。
そして、母親と死別したばかりの九つの母が目の前にいるような切なさ。

と同時に、

私自身は母親になれなかったけれど、私にとって世界で一人の母親は目の前にいる、ということ。
母はもう母親に逢えないけれど、かけがえのない私の母として私の目の前にいる、ということ。

その尊さが胸に刻まれた出来事だった。

今日の母の日、月並みな花の贈り物でご機嫌をとりつつ。
「いつまでもお元気で。」のカードに想いを込めた。

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