6年間観察を続けるクマノミ”JAPAN”
今年はコロナの影響があり、海に潜りたくても潜れない日が続きました。
久しぶりに海に潜ると、思うこと感じることが多くあります。
毎日のように潜る僕らの仕事は、海の中に生きている魚たちの生活圏内にお邪魔して、そっと観察させてもらうことです。
ですが、海の中の生き物であれ、毎日顔を合わせ、成長を見守っていれば、当たり前ですが、愛着が湧き、愛おい存在となるわけで、魚であれ、「特別」な存在となっていきます。
特に縄張りを持っている魚や、常に同じ場所、同じ宿に暮らしている生物は、個体が特定出来ているので、ガイド中に会うと、心の中で、よぉ!とか、今日も元気だねーとか、大きくなったな。ご飯食べたかー?とか、勝手に会話をするようになるのが、ガイドあるあるだと思います。
今年の春の休業中、僕が1番気にかけていた生物がいます。
石垣島北部の伊原間湾内のビックマウンテンという、僕が知る限り、6年いるカクレクマノミのこの子。
2年前の台風で、イソギンチャクごと飛び、一時はいなくなってしまいましたが、数週間後、20mくらい南で無事にイソギンチャクごと見つかり、今現在も、元気に暮らしております。
僕の付けた名前は、JAPAN(ジャパン)
言わずもがな、体の右側面に、まん丸い日の丸のような柄があるからです。
名つけたのは、初めて見つけた6年前。
6年間、このJAPANに会うたびに、よぉっ!お客さん連れて来たぞーとか、そんなに動かずモデルになってくれーとか、会話を続けている、めちゃくちゃ愛着のある特別なカクレクマノミなのです。
コロナ禍の自粛休業中海に出れない日々が続き、もちろんこの個体だけではありませんが、抱卵期や、繁殖期だった魚たちetc元気にしているだろうかと勝手に心配をしていました。
実際魚たちにしてみれば、ジロジロとのぞき込み、パチパチと写真を撮るダイバーがいなくて伸び伸びしていたかもしれませんが…(笑)
そして。
休業明けも、同じ場所で元気な姿を確認することができました。
各所で会う、別の魚たちにも、おー久しぶりに人間見たな~と言われた気がしました(笑)
JAPANの安否を確認出来、一安心。
こうして考えてみると、
個体識別のできる自然の動物とこうして長い間関わり続けられる仕事というのも、なかなかないのではないかと、コロナでの休業期間を終えて、より強く思った次第です。
JAPAN。
いつまでも元気に石垣島北部の海で暮らしてください。
いつもありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?