幻のポテチを食べたら芋の宇宙に飛び立った
幻の最高級芋、今金男爵。
その芋は昭和30年に銘柄として確立し、北海道で唯一男しやくのみを栽培し続ける男爵のプロが作り上げた。市場流通量がわずか0.3%という希少性から、湖池屋のプライドを賭けて作り出したそのポテトチップスは年に一度しか発売されない数量限定商品であり、「最高クラスのポテトチップス」をうたっている。
これは食べなければならないのではないか。運命なのではないか。そう思ったとしても不思議ではあるまい。
しかし、私は前回、ポテチのせいで食生活が壊れている。
さすがに1日ポテチだけは健康に悪すぎるだろう。私は悩んだ。
しかし……前回は味違いで2箱12袋も頼んでしまった。1箱6袋ならばたいしたことはないのではないか?
しかも。上記の記事がやたらと伸びるのでなんだろうと思っていたのだが、読み直してみたら我ながら結構文章も面白かった。自分が書いたとは思えない。またこういう文章を書いてくれと言われても応えられる気がしない。何喰ったらこんな文章書けるんだ。芋か。芋は文章力を上げるのかもしれない。
さらに。個人的な事情だが、食生活が貧しすぎるせいで、最近体重が減りすぎて自分の維持したい体重を下回ってしまった。だから油を摂って体重を増強したい事情がある。摂るのがほぼ栄養素ゼロのポテトチップスでいいのかには議論の余地がある。
悩んだ末、私はこの商品を予約注文した。うすしおである。何かに負けたわけではない。私は私の選択としてポテチを頼んだのだ。それは尊重されるべき選択のはずだ。そうに違いない!
数週間待ちに待った挙句、ようやくやってきた今金ポテチはパッケージからして光り輝いていた。
見てほしい。芋が母星たる芋星から飛び立つさまにも見える。このポテチの美味しさが宇宙レベルであることを示しているのだ。
カロリーが気になるが、裏側もやはり母星から飛び立つ芋をかたどっている。やはり相当のこだわりがあるのだろう。芋は宇宙レベルなのだ。おそらく今後人類が宇宙進出した際に最初の食料として栽培されるのは芋。そしてその星は芋星になる。そういう未来を示している。
開けてみた。
顔を近づけると、ホクホクとしたお芋の香りが漂う。この薄さなのに本物の芋が目の前にあるかのごとくだ。
かじってみると、口の中いっぱいに芋の香りが広がった。焼きじゃがいもを口に入れた時のようなしっかりした風味である。そしてさすが湖池屋、サクッとして軽く、噛み応えも良い。そして塩気が引き立てる旨味が舌を楽しませる。これはじゃがいもの旨味だ。ポテチという薄められた商品にも関わらず、じゃがいもを食べているという感じがすごい。私のような芋好きはこの商品を気に入るだろう。
芋の味がするならば、アレが合うんじゃないか……。
ふと思い立った私は冷蔵庫に立った。
ポテチにマヨネーズは正気じゃない。正気じゃないと思いつつやってみた。コッテリして美味しかったのだが、さすがにポテチでは芋がマヨに負ける。結論マヨネーズを食べている感じになってしまった。違う。そうじゃない……! 最強の組み合わせはないのか!
ポテチにバターはマジで正気じゃない! しかしじゃがバター的な味わいを目指してやってみた。溶けたバターが下のほうのポテチにしみこみ、口に入れるとまず濃厚。口の中にバターと芋の香りが広がって罪深いお味。
美味しいのだが、バターが染み込むとサクサク感が損なわれるし、なんだろう。いくらなんでも油すぎないだろうか。カロリーがドンドン跳ね上がっている気がする。体重を多少増やすつもりでボンボボンと増やしてしまうかもしれない。次。
もう、なんにでもゆかりをかけるヤツみたいになっているが、見た目はいいし、程よく酸味が加わっておいしい。これは結構無難だ。
ただ、最終的には何もかけず塩を味わうのが良いという結論にも至った。やはり今金男しゃくは素材の味を楽しんでこそ。まだ少し残っているが、大事に食べていきたい。
参考:
最後までお読みいただきありがとうございます! 良かったらスキ/フォローお待ちしてます。あなたにいいことがありますように!