見出し画像

あのクソゲーはこうして生まれた~元・ゲーマー開発者の懺悔~

「だから言ったじゃん…」

リリース直後から燃え上がる炎上ツイートの数々を見ながら、私は独りごちていた。3 年もの歳月と、数百枚に及ぶ仕様書、そして数え切れないほどのクソみたいな会議の果てに生まれたゲームは、見事にクソゲーとしてその名を轟かせていた。

(ただし、秘密保持契約があるのでゲーム名は伏せる)

※この記事には約40回「クソ」という言葉が登場します。お食事中の方、不快に感じる方は閲覧をお控えください※


私はしがないWeb系のエンジニアだ。

華やかなゲーム業界とは程遠い、CSS やPHPと格闘する毎日。だからある日、社内調整でゲーム開発案件にアサインされた時は、飛び上がるほど喜んだ。

やっぱりゲーマーたるもの、ちょっとゲーム開発に携わってみたい。

UnityもUnreal Engine(※どちらも有名なゲーム開発エンジン)もろくに使えないけど、ゲーム開発に役立てるんだ! やったぁ!

希望に満ち溢れていたあの頃。まさか、このプロジェクトが私を「クソゲーを生み出した開発関係者」と貶めることになるなんて、想像だにしていなかった。

悪夢の共同開発、その始まり

プロジェクトの全貌を掴んだ時、一抹の不安がよぎったのは事実だ。

ここから先は

3,557字
この記事のみ ¥ 300

この記事が参加している募集

最後までお読みいただき、ありがとうございます! あなたのあたたかい応援が励みです😊