2021年 中国代表の最終予選
中国代表のW杯アジア最終予選、2021年の6試合を振り返る。
2021も終わりを迎え、コロナ渦による長い中断、リッピ辞任、3次予選は急遽開催地変更になるなどいろんな意味で長~い道のりだった
→3次予選、最終予選前の展望はこちら
■試合結果
・9/2 ●0-3オーストラリア@カタール Doha 得点:Mabil24 Boyle26 Duke70
ド完敗。試合前はオージーは以前より落ちてるだの期待論があったが、開始20分以降で2点を失い、試合通じてチャンスどころか枠内シュートも0
------------9艾克森-------------
17呉興涵-------------------7武磊
-----10張稀哲-----13金敬道------
-------------15呉曦(c)-------------
3王燊超-6蒋光太-22于大宝-5張琳芃
-------------1顔駿凌--------------
于大宝→46分王剛 金敬道→63分尹鴻博 呉興涵→60分韋世豪 張稀哲→46分蒿俊閔 艾克森→82分張玉寧
・9/7 ●0-1日本 @UAE Sharjah 得点:大迫40
日本をリスペクトし5バックの爆守備、日本の拙攻もあり1失点で凌ぎ、後半は阿蘭(アラン)洛国富(アロイジオ)投入し攻めだすもゴールは遠く。日本相手に1点差は及第点とはいえあまりに守備的な試合運び、日本の状態も悪かったため、結果的にもっと攻撃的に、もっと早く帰化組投入してれば、、の思いが残る
---------9艾克森---7武磊-----------
-----19尹鴻博-----13金敬道------
-------------15呉曦-------------
3王燊超-2李昂-6蒋光太-5張琳芃-20王剛
--------------1顔駿凌--------------
李昂→63分蒿俊閔 張琳芃→6分朱辰傑 金敬道→63分阿蘭 呉曦→84分池忠国 尹鴻博→63分洛国富
・10/7 ○3-2ベトナム@UAE Sharjah
得点:張玉寧57武磊75.95 HồTấnTài79'NguyễnTiếnLinh90'
前節日本戦から1か月、中国選手団はそのままUAEに移動し中東に滞在。グループで最も力が落ちると見られるベトナム相手に、ロスタイムの劇的ゴールで何とか勝ち点3を得た。
--------9艾克森--18張玉寧-------
17劉彬彬-------------------7武磊
-----10張稀哲-----15呉曦------
3王燊超-6蒋光太-5張琳芃-20王剛
-----------1顔駿凌--------------
王剛→61分于大宝 張稀哲→54分蒿俊閔 劉彬彬→54阿蘭 艾克森→54分韋世豪 張玉寧→72分池忠国
・10/12 ●2-3サウジアラビア 得点:洛国富46呉曦87 Najei15,38Buraikan82
当時全勝&グループ首位で恐らく日本や豪州より強かったサウジとのアウェーで、個人的には6試合中のベストゲーム、GK顔駿凌の不調で枠内3本全て決められ敗戦したのは惜しまれるが、前半0-2から後半に阿蘭&洛国富投入後の戦いは、あれを前半からできてたら・・と思わざるを得ない。特に洛国富の投入後30秒の弾丸シュートは素晴らしかった。
--------7武磊--18張玉寧-------
-----13金敬道-----15呉曦------
-------------池忠国---------------
3王燊超-2李昂-6蒋光太-14朱辰杰-5張琳芃-
-----------1顔駿凌--------------
張琳芃→80分高准翼 李昂→46分洛国富 金敬道→46分阿蘭 池忠国→60分張稀哲 張玉寧→60分艾克森
・11/11 △1-1オマーン @UAE Sharjah 得点:武磊21 Al-Harthi75
セットプレーから先制も、セットプレーから追いつかれドロー。内容的にも、3位以上を狙うにも惜しまれる試合。ようやく代表デビューした徐新の高パフォーマンスが印象的。
-------------18張玉寧--------------
21洛国富-----11阿蘭---------7武磊
--------15呉曦-----13徐新-----------
3王燊超---14朱辰傑--6蒋光太---5張琳芃
-------------1顔駿凌-------------------
67分 徐新⇨蒿俊閔 68分洛国富⇨呉興涵 80分阿蘭⇨艾克森
・11/16 △1-1オーストラリア @UAE Sharjah 得点:武磊pk71 Duke38
前回0-3より大きな進歩を見せた、PKで追いついてからも逆転の好機が何度かあったのは惜しまれるも、実力的にオージーにドローは十分な結果。しかし3位以上、カタールW杯出場はかなり厳しくなってしまった
-------------9艾克森--------------
21洛国富-----11阿蘭---------7武磊
--------15呉曦-----13徐新-----------
3王燊超--14朱辰傑---6蒋光太---5張琳芃
---------------1顔駿凌----------------;
45分蒋光太⇨王剛 80分洛国富⇨呉興涵 80分阿蘭⇨巴頓 93分武磊⇨張玉寧
まあW杯出場はかなり厳しい状況だが、内容的にも実力的にも妥当か
前回最終予選勝ち点10/14を稼いだホームゲームがコロナ云々の原因で開催できないのが痛い、残るホームはサウジアラビア戦1試合のみ、せめてこれを自国開催できることを願う
■監督
李鉄(Li Tie)はオーストラリア戦へて帰国、隔離後に辞任を発表。
6試合消化して勝ち点5、W杯出場ラインとなる3位オーストラリア(11)と6点差で出場絶望的になったのもあるが、それ以外で推測される理由として
・帰化選手の使用
今予選の目玉?であった帰化選手の起用について、艾克森と蒋光太はスタメンだったが、洛国富と阿蘭をあまり重用しなかった。協会肝いりの帰化選手を重用しなかったのが、協会上層部の不興を買った?
・SNS投稿
オーストラリア戦後の微博(Weibo)で自身がスポンサー契約する商品を宣伝する違反行為があった。こっちが本命っぽい
https://twitter.com/guojiadui/status/1465911919735304198
個人的には、選手交代の采配は良かったと思うが、一部不調選手に固執したのが残念。日本戦の守備的な采配も力関係的に仕方ないと思うが、もっと早く洛国富と阿蘭に時間を与えていれば、、とは思わざるを得ない。また前述のスタメンを見れば分かるように毎試合スタメンやフォーメーションが代わり最後までベストの布陣を見つけられなかった。
後任には武漢監督だった李霄鵬(Li Xiaopeng)が就任。1975年生まれ。現役時代は山東一筋で李鉄と共に日韓W杯出場など39capを記録。引退後女子代表監督、山東などの監督や、クラブ幹部を経て指導歴を積んできた。男女両方の代表監督経験者は初めてとなる。
https://twitter.com/guojiadui/status/1466672925990592513
■選手たち
・武磊(Wu Lei)クラブで低迷するも代表では無双。最終予選4ゴールは、6節終了時点で参加各国首位。エースとして十分な職責を果たしたが、外したシーンも多く、完璧とは言えないが
・張稀哲(Zhang Xizhe)背番号10を追い攻撃のタクトを振るう存在として期待されたが、最も評価を落とした。第4節以降はスタメン落ち、途中出場したサウジ戦でも消極的プレーに終始。新監督就任後の立場は微妙
・王燊超(Wang Shenchao)左SBとしてフル出場、安定した守備に加え、ベトナム戦では長く一緒にプレイした武磊に2アシストなど攻守に貢献し個人的に今予選のMVPか。長く代表では実力を発揮できなかったが、開花したか。
・呉曦(Wu Xi)蒿俊閔のスタメン落ちで、今予選ではキャプテンを勤めフル出場。攻守に貢献し、サウジ戦のゴールなどキャプテンとして奮闘した。
・艾克森(Ai Kesen/エウケソン) この最終予選ではノーゴール、途中からは張玉寧にスタメン譲るなど低迷。年末に広州FCと契約解消しブラジルへ帰国、来年以降の代表活動への参加は怪しい。
・洛国富(Luo Guofu/アロイージオ) 期待値は最も低かったが、最も評価を高めサプライズだった。サウジ戦のスーパーゴールも去ることながら、守備にも献身的。来る日本戦では累積警告で出場停止なのが残念。
・阿蘭(A Lan/アラン) ゴールこそなかったが、短い出番で洛国富と共に印象的なパフォーマンスも多く、今後より多く出番を期待されるが、前述2人同様に広州FCと契約解消が濃厚、かつ家族の病気でブラジル帰国のため今後の代表活動は不透明。
・蔣光太(Jiang Guangtai/ブラウニング) CBの軸として、負傷交代した豪州戦以外フル出場。足元が案外怪しく、集中力に欠けるところもあるがまだ若く今後も期待できる。
今後の展望、W杯本大会出場はもはや現実的ではなく、最下位ベトナムを下回らず、なんとかオマーンをさして4位を目指すのが現実的か
恒大グループの財政難もあり、ブラジル出身の帰化選手は全員契約を解消。ブラジルのクラブに復帰する選手もおり、コロナ禍もあり1月以降の代表参戦は微妙
彼らの貢献には感謝したいが、未来を見据えて30過ぎた彼らでなく若い選手に経験を積んでもらい、2023アジアカップ、そして次のW杯予選かな
あとせめてサウジアラビア戦は自国開催の実現を期待したい。