90年代前半のガールポップ個人史を振り返る
これは僕の身の回りに関する語りです。正確な音楽史は誰かがきちんと書いてくれていると思うのでそちらを。女性ボーカルものって昔はどうだったかなと思うと,90年代の後半からは間違いなく小室哲哉の時代だったと思います。大きなきっかけは94年の篠原涼子「愛しさと 切なさと 心強さと」でしょう。良くも悪くもコムロ系ばかりが目立っていました。
じゃあその前は何があったかというのが今回のテーマです。当時はアイドル冬の時代と呼ばれた時代で,高橋由美子が20世紀最後のアイドルなんて言われていましたね。このときアイドルの代わりに勢いがあったのがガールポップと後に呼ばれる女性ボーカルによるポップ&ロックです。
私の場合,当時ニッポン放送を聴いていたのもありANN(オールナイトニッポン)をやっていた橘いずみなんかはなじみ深いです。「永遠のパズル」(1994年)とかヒットしました。
大塚純子「TEARS」(1990年)はドラマの主題歌になっていました。作曲は伊秩弘将で後にSPEEDのプロデュースで大きくはじけます(それ以前から有名)。
同じ伊秩弘将が作曲している久宝留理子「男」(1994年)も突き放したというか言ったぞという歌詞がそこそこ話題だったような覚えがあります。
田村直美「ゆずれない願い」(1994年)はけっこう聴きました。アニメの主題歌でしたが,そちらはちょっと見てなかったので…
久松史奈 「天使の休息」(1993年)は50万枚以上のヒットと書いてあって,「え?100万枚売れてなかった?」と思う程度にはそこらへんで聴いた感じです。
こうやって並べてみると,いわゆるアイドルっぽいラブソングとかとはまったく別の方向で,女性を応援する歌が多いですね。もちろんラブソングもあります。山下久美子「!BYEBYE」など卒業と別れをテーマにしたラブソングでしょう。ただやっぱりコムロ系とはテイストがだいぶ違うような感じです。
ちなみに僕はアイドルっぽいのが嫌いだったわけではなく,高橋由美子「友達でいいから」(1994年)とかすごい好きでした。ちなみにこの曲はドラマ「南くんの恋人」の主題歌だったんですが,ドラマのお父さん役が草刈正雄でこれまたいい演技でした。作詞・作曲したTAMTAMのバージョンもオススメだしたぶん世に知られてないのでそちらを。