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孤独な研究者・機関につながりを
連続出張シリーズ第3弾は「国際シンポジウム
デジタル・ヒューマニティーズと研究基盤」でした。
人文学の流れとしてデジタル化やそれによる研究の変化などがあり、デジタル・ヒューマニティーズ(DH、人文情報学?)と呼ばれます。今回ヨーロッパで機関を統べる組織の詳しい情報や関連する日本の状況を聞きに行きました。
会場は東京ビッグサイトの会議室。初めて来ました。
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講演とポスター発表なので部屋が分かれるのかと思ったら一部屋でした。
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講演はDARIAH-EUという欧州人文学デジタルインフラプロジェクトのディレクターToma Tasovac氏でした。話題としてDARIAHの取り組みや、デジタル人文学の役割、重要性などがありました。同時通訳が入ったのでとても助かります。
個人的には歴史を見直すときの基盤・拠り所としても機能することが印象的でした。一方で日本はきちんと恣意的にではなく資料に基づいて歴史を見直すという態度が市民レベルでどこまでやれているのか、SNSを見ると不安ではありますが。
講演に続き、4機関による事例報告でした。
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研究・教育どちらもあり、分野も幅広さを感じました.
次に、全国の人文情報学(デジタルヒューマニティーズ)に携わる機関によるポスター発表でした。
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講演でも様々なレベルの教育が気になっていたので、そこに関わっている大学を中心に話を伺いました。大なり小なりこういうことの教育で苦戦するところは似てるなあと思いますね。
ポスターの後は文科省の担当による報告。DHが国レベルでどう検討されているか、予算措置を含め知ることができました。
最後は登壇者によるディスカッション。講演は俯瞰的なもので、報告は個別的なのでどう裁くかと思ってましたが、論点をうまく出していて良いまとめになっていたと思います。
普段、特にDHの研究者は孤独だと挨拶でも言われていました。それもあり、今回のシンポジウムは連携(コラボ)が大事というのが大きなメッセージとしてあったと思います。一方でディスカッション終盤でToma氏は「日本は今回の進歩で見てわかるように機関の連携はできている。後は政治レベルでどうにかするのが大事」と。いやまさにそうですね。そしてそれが一番の難関かも。
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こういった日本中の実践者が集まる機会もなかなかなく、個人の研究をやる上でも刺激となりました。