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連続出張講義with新ネタ

今日も出張講義で出張だった。昨日のような400キロとかではないが,2日連続ははじめて。

今日は同じ学園内の北星学園女子中学高校で,(大雑把に言えば)文系コースを志望する生徒が対象だった。

敷地に家がどーん!(住んではいない)

今回は「ことばの研究 ことはじめ」というタイトルで,新ネタをやってみた。これまで言葉を題材にした自由研究の本は出したのだが,なかなか実践する機会がなかったのと,大学入学後の学習を体験するという意味合いが強いということでこれを選んだ。というか作ることにした。

具体的には生徒が1人1台surfaceを持っているということだったので,それを持参してもらい,データ入力と分析をしてもらった。その前に授業のコメントや質問などにはslidoを導入している。

題材にしたのは名前の音で,日本語(日本人?日本的な名前)では名前に出てくる音に性差がある。

要は男性は阻害音,女性は共鳴音が多くなるというものだ。

授業ではまず男性と女性の名前を平仮名でそれぞれフォームに入力してもらい,結果を見て気づいた傾向をなんでもいいのでslidoに書き込むように指示した。一応「音に注目する」とは伝えていたが,それにとどまらないコメントもあった。

コメントは全員読めるので面白いと思ったものや正しいと思ったものには「いいね」をするよう伝えたが,これはうまく活用できなかったかな。

そして「実は」と言って,非表示の列を出す。非表示の列には1行目に50音の各行の音が書いてあり,名前に含まれるその音の数を出すように関数を入れてある。全てが自動で出てくるとカッコイイのだが,実際はデータ入力後にフィルしないといけなかった(これはよんさまでも解決できなかった)。

ちなみにこれだと「けんたろう」の「う」が長音であることを反映できないのだけど,その辺の影響は小さいと判断してとくに対策は取らなかった。実際にやるなら長音のパターン(「しょう」とか「こう」とか)を数えるセルを作り,「う」を含む列はそこから引くとかすることになるだろう。うん,できるできる。

さらに結果を集計するシートを非表示で作ってあるので,それを表示させて,傾向を見てもらった。

これを使うと次のことが分かる。

  • 男性の方が女性よりも長い(ただこれは時間内に紹介できなかった!ちなみに実際,女性の4モーラの名前は「桜子」のように3モーラ+子にほぼ限られそう)

  • 濁音は男性に多い(ちょっとアニメキャラの名前などが入っているので要検討だけど)

  • さ行,た行は男性に多い

  • な行,ま行は女性に多い

そしてここでようやく音声学の「有声性」と「共鳴音・阻害音」を導入し,解説へと至った。ただ時間がちょっと足りなくなって,説明がどこまで分かる形になったかは怪しいところがある。また,上の本にも性差と音声の違いの説明として男性=阻害音=角ばった,女性=共鳴音=丸いということが出てくるが,私はこの背後にある性的ステレオタイプは無視できないと思うのでその話もしている。でも時間がなかったかな。

いずれにせよ,データを集めて分析してみるところまで50分で一応体験ができたと思う。ネットが使える環境じゃないとできないのが辛いところだが,今は一人一台の体制が整ってきているので,またどこかでやってみたい。



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