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ボールはボムなんだ


会社に就職して知ったこと。

仕事は常に回っているものだけではない。

どういうことかと言うと。

最初から最後まで猛スピードで進む案件がある。納期の問題とか、担当者がテキパキしてるとか。

でも実際は、「あれ?あの案件ってどうなってるんだろ?」ってなるくらいストップするものも結構ある。

クライアントや代理店の社内で揉んでるのか、案件自体を一旦寝かせちゃってるのか理由はいろいろ。

だからストップすること自体は理解できる。でもそれが再開するタイミングが大事(問題)。



ある金曜日、20:00。

1ヶ月以上ストップしていた案件の再開を知らせるメールが入った。しかもお知らせと同時に、こちらへの作業要請も書かれている。

読み進めるとなんとびっくり。月曜日にクライアントへ提出したいと。

下請けの僕らには「YES」しか答えは用意されていないわけで、土日作業確定なわけで。

下の若い子たちの勤怠も管理しなければいけない立場だけど、こればっかりはごめんとしか。

一方で「この業界に入ったんだからこの状況は想定内だよね」と上に言われればその通り。もちろん分かってました。

それでも、 ”働き方改革” とは無縁な上に「YES」しかないのならば、その前の段階でなんとか平日を1日作る動きはできなかったのかと考えてしまう。

もしくはせめて、20:00より前に連絡することはできなかったのか。



ふと、子供の頃にやったクリスマスのプレゼント交換を思い出した。みんなで円になって、音楽が鳴っている間プレゼントを回す。音楽が止まった時に持っているプレゼントを開ける。

そう、あれだ。

僕たちは案件という名の1つのボールをぐるぐる回している。自分のところに回ってくるまでは、そのボールを見つめているだけでいい。

でも自分のところに回ってきてびっくり。


ball (ボール)と思ってたそれは、bomb(爆弾)だった。


みんな爆発する前に渡したい。もしくは、どうせ爆発するなら自分のところ以外でと。



そういうことだったのか。

もし木曜日にメールを送っていたら、金曜日にボール(ボム)が自分の元へ返ってくる可能性がある。

もし午前中にメールを送っていたら、夕方にボール(ボム)が自分の元へ返ってくる可能性がある。

せめて週末はボール(ボム)のことを考えずにゆっくり過ごしたい。

だから金曜日の20:00なのか。

なんて、こんな風に考えてしまう僕は性格が悪いでしょうか。

でもこんな風に考えるだけで少し、ほんの少しだけ、心の雲が減る気がします。



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