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一律の研修がいいとも限らない

(5,192文字/個人差はありますが、約8分~12分程で読めると思います)

よこはま発達グループの佐々木です。
8月もいよいよ終わりで、もう9月になります。早いもので、2024年も残り4ヶ月です。
  
このグループはFacebook版とnote版がありますが、Facebook版では毎月ゲストとの対談または鼎談の動画をお届けしています。2024年はあと4本の動画をお届けします!
  
今月は宇野洋太先生との対談をお届けしていますが、来月はお二人のゲストとの鼎談をお届けします。来月のゲストは譲田和芳先生(bonワークス豊中:大阪)、松尾浩久先生(社会福祉法人菊鉾会HEROES:京都)です!
  
動画は楽しみにお待ち頂ければと思いますが、今回のコラムではお二人と話をして感じたことなどを書いていきたいと思います。
    
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届けたい支援のためには人が必要

実際の支援現場では、人員配置基準というものがあって、これは「最低限、スタッフの方はこれだけ配置してください」というものです。裏を返せて、「これだけいれば運営していいですよ」というものです。事業所の規模や障害支援区分などにもよるので、ここで全てを説明することはできませんが、5名の利用される方々に対してスタッフは1名とか(支援区分の程度によっては3:1の場合もある)そのような感じです。その他、常勤は何名以上とか有資格者の場合にはなど色々な要件がありますが、それは今回は割愛します。
         
これを手厚いとみるかどうかは人によって意見が分かれるでしょう。
いずれにせよ、国としての基準は上記のような形になっています。
     
どの業界もそうかもしれませんが「人材不足」が課題になっており、潤沢にスタッフがいるという現場はほとんどないかもしれません。その結果「やりたいけど、やれない」ということが生じてしまいます。ご本人や親御さんとしても、「どうしてもっとサポートしてくれないのか…」と思われることもあると思います。このように、お互いとってもどかしさを生むような状況が、構造的に生まれやすいのかもしれません。
   
譲田先生も、松尾先生も「人員配置基準は満たせるけれども、届けたい支援のためには(より)人が必要」といいます。僕自身も「まずは人手がないことには、どうにも難しい」と思うことはよくあります。

なので、現場としても、

  • より良い支援をしていきたいし、今以上に専門性を高めていきたい

  • でも、人がいないからやりたくてもやれない

  • 今以上に高い質の支援を求めた結果、スタッフがさらに減ってしまったら(退職したら)どうしよう

  • そのため、今の支援はどうなんだろうと疑問を持ちつつも現状維持にならざるを得ない

と、色々な葛藤が生まれるわけです。
   
お二人がどう考えているかは動画を見て頂ければと思いますが、ここでは僕がどう考えているかについて書いていこうと思います。というよりも、二人と話しながら考えたことです。

人財が大切

ちなみに、10年くらい前には「人は変わるから、支援の仕組みを作る。システムは変わらないから」みたいなことを思っていたのですが、今現在は「半分そうで、半分はそうじゃない」と思っています。
  
なんでも自由すぎると、かえって何をしていいかわからないので、何を目指していくのか、それを達成するためにどうするのか、ある程度の支援の枠組みを作っていくことは必要だと思います。
  
一方で、どんな仕組みを残したとしても、それを扱っていくのは人ですから、結局人が一番大事なんです。支援現場は日々変化していきます。あたりまえです。僕らだって日々違うように、障害のある方々だって日々違うからです。ですから、その時々のコンディションや状況にあわせて柔軟に環境を整えていくのは、自然なことです。
  
でも、それを見極められる人がいないと「前任者からこう引き継いでいるので…」という理由だけで、当時は良かったかもしれないけれども、今はあっていない支援を続けていくことになってしまいます。
  
ですから、結局は「誰がそれをするか」という”人”の要素は決して小さくないのだと、僕は思います。

一律の研修がいいとも限らない

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