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学習スタイル、どう伝えていくの?

(4,698文字/個人差はありますが、約7分~11分程で読めると思います)

おはようございます。よこはま発達グループの佐々木です。
この1週間も移動が多く、その分さまざまな方々とお会いさせていただきました。その度に思うことですが、同じ志を持って、同じ方向性を向いて取り組んでおられる仲間と時間を過ごさせて頂くことは、本当に刺激を頂けます。
   
この1ヶ月でも、「まだまだ自分にはやれそうなことがあるし、やるんだ!」と強く感じました。そこで自分自身が得た知識や経験は、もし皆さんに共有できるもの、還元できるものがあれば積極的にしていきたいと思っています。
    
さて、前置きはこのくらいにして、今回はグループの皆さんからお寄せ頂いたご質問にお返事していきたいと思います。少しご質問がたまってきているので、今回・次回と続けて質問コーナーへのお返事にします。


Q:学習スタイルの考え方

自閉症の学習スタイルは自閉症の診断をされた方だけの考え方になりますでしょうか?他の障がいがある方(ダウン症、ADHDなど)の支援をする時に、学習スタイルの考えかたでアセスメントすると、特性があるかも知れないと思う時があります。実際にダウン症の方を支援させてもらう時でも、ダウン症の特性や学習スタイルから考えて、支援を組み立てています。

障がいの有無ではなく、どんな方でも学習スタイルから検討する事って、すごく大事な視点だと思っています。それが職員であっても、暗黙の了解では、伝え方によって解釈は人によって違いますし、視覚的なってた方が覚えやすかったり、慣れてないや苦手な事は具体的な手順も伝えた方が行動しやすいと思っています。

学習スタイルは障がいの有無関係なく、また、どの障がいでも学習スタイルから検討する事は、問題ないでしょうか?自閉症の学習スタイルとコンサルテーションの時に話をする時、この方は違う障がいなので学習スタイルからは考えられないです。と言われる時があります。自分の中では、どんな障がいでも、特性が重なってしまう部分があると思うので、良いと思っているのですが、佐々木先生はどのように思われているか、教えてもらえるとありがたいです。宜しくお願い致します。

頂いたご質問

A:情報のシャッターを降ろさせない

ご質問ありがとうございます。もしかすると、「学習スタイル」という言葉に馴染みのない方もおられるかもしれませんので、先に用語の整理を少ししておきたいと思います。
  
「学習スタイル」は、勉強ができるかどうかというものではなく、「ものごとの捉え方や感じ方」という意味です。なので、そのように言い換えた方がイメージがつきやすい方もおられるかもしれません。僕らは、何らかの行動をする際には、どの程度意識しているかどうかはさておき、何らかの理由があるわけです。

たとえば、苦手な食べ物を残す際には、味が嫌とか食感がダメなど理由がありますよね。でも、自分にとって苦手なものでも、とっても美味しそうに食べる人もいます。このように、同じものを見たり、経験しているはずなのに、捉え方や感じ方の違いがあります。これを認知特性と言います。自閉症の方々は、こうしたものごとの捉え方にユニークな特徴があることが知られています。例えば、口頭だけのやり取りだと過不足なく情報をキャッチすることが不得手だったりします。でも、文字やイラスト、写真などの視覚的な情報を活用してのやり取りであれば、とてもよく情報を受け取ってくれることが多いです。つまり、「できない」わけではなく、「学び方が違う」ので、「学習スタイル」と呼ばれたりしますが、認知特性と意味は同じです。


さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題ですね。  

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