
複数の目で支援を考えるー家族のサポートから現場の困りごとまで
(7,103文字/個人差はありますが、約12分~17分程で読めると思います)
こんばんは。よこはま発達相談室の佐々木です。
コラムの更新が大幅に遅れてしまいました。申し訳ありません。
今回は頂いたご質問へのお返事と最近の自分の取り組みで気づいたことなどを書いていきたいと思いますが、2回に分けて書かせてください。今回は、コンサルテーションの話と頂いたご質問へのお返事を。次回は、実践型のワークショップなどで感じたことなどを書いていきたいと思います。
現場だけで考えない
有難いことに、全国いろいろな法人さんからコンサルテーションの依頼を頂いており、今月は訪問では熊本、釧路、鎌倉、三島、オンラインでは秋田、仙台、横浜、岡山、広島、鹿児島、宮崎の地域の皆さんとご一緒させて頂いています。
事業形態も幅広く、ほとんどの福祉サービス事業にコンサルテーションとして関与させて頂いています。
現場の支援を考えていく上で大事にしているのは、現場だけで考えないということです。というよりも、限界があるのかもしれません。実際に、強度行動障害支援者養成研修でも、研修だけでは限界があり、多くの自治体で「コンサルテーションやスーパービジョンを含めたフォローアップに関する研修の必要性を感じている」と報告がなされています(強度行動障害支援者養成研修の効果的な研修カリキュラム及び運営マニュアルの作成に関する研究:のぞみの園2019)。一般社団法人全日本自閉症支援者協会でも、コンサルテーションの活用を推奨しています。
コンサルテーションの意味は様々ありますが、学んだこと(=知識)を現場に直接反映させるきっかけになることもあれば、自分たちだけで取り組んでいると視点が偏ることもあるので、第三者の視点が入ることで新しい気づきが得られることもあります。コンサルテーションは、皆さんどのようなイメージがあるかわかりませんが、何かを上から指摘するような存在ではないと、僕らは考えています。むしろ、現場の支援を一緒に考えていく存在です。先日ご一緒させて頂いたKCビーンズさん(釧路にある放課後等デイサービス)がインスタグラムで、今回のコンサルテーションについて感想を書いてくださっていたので、その一部を紹介させてください(宜しければ、KCビーンズさんのインスタグラムも見ていただけると&フォローしてくださると嬉しいです!)
▼KCビーンズ
https://www.instagram.com/kc.beans_kc.seeds/
【コンサルテーションの感想*一部抜粋】
どんな質問にも丁寧に答えてくださり心から感謝しております🙇♀️✨
ビーンズの事業所の中や私たちのいつものミーティングや支援中のお子さんの様子も細かく見ていただきました。支援の取り組みで「こんな場合にはもっと他に手立てがあるのだろうか…」と思い相談した際には、しっかりとお子さんや取り組んできた背景も見てくださりアドバイスをいただけたことは、これからの支援に活かし更なるお子さんのより良い生活のために取り組んでいきます!
佐々木先生にコンサルテーションをお願いし様々な視点からご本人の事を考える姿勢はビーンズにとってとても大きな学びになりました。
『行動を変えるのではなく、情報と周りの環境を変える』
子どもと関わるなかでついつい行動にばかり焦点を合わせてしまいがちになりますが見通しの伝え方、伝え方の方法や優先順位の整理を一緒に行うなど、1人ひとりに合ったやり方をこれからも続けていける、そんな事業所でありたい。と、チームの方向性を改めて見直すことができました!
恐縮するくらいのコメントで、僕にも気を遣ってくださっていると思いますが、それでも「一人の仲間として取り組んでいるんだな」という感じが伝わるのではないでしょうか。もちろん、これは僕だからということではなくて、第三者が入るってこういうことなんだと思います。自分たちの考えが拡張されるみたいな(PCにUSBメモリをつけて拡張するみたいに)。
それ以外にも、昨日は秋田県の事業所さんからも半年経ってどうかの中間報告会があり、そこでも、「今までの取り組みに対して後押ししてもらえている点は、自信になった部分もある」「一人一人が考え、相談しながら取り組むことが増えた」などの報告をいただきました。
そして、僕らも「よこはま発達サポートルーム(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援)」にはコンサルテーションを入れており、毎月1回、県外からコンサルタントの方に現場を見て頂いています。
もちろん、コンサルテーションに入っていただく方は誰でもいいというわけではありません。以前、ある先生に「どのような方がコンサルタントに向いているか?」と質問したことがあるのですが、「まずは実力があることが大前提。あとは特定の人だけでなく、色々な人からの評判がどうかじゃない?」と教えてもらったことがあります。この辺は、僕がいつも話をしている「専門性と倫理観」と似ているのかなぁと思いながら聞いていました。
ということで、そんなコンサルテーションにご興味があればぜひご連絡ください。
▼よこはま発達グループのコンサルテーション↓
また、コンサルテーションは決まりきった形があるわけではありません。その時々で、実際の対応のことであったり、知識を整理するための勉強会だったりテーマもさまざまですが、昨日は「家族支援」をテーマにお話をしてほしいとのことで、そうした内容で準備をして、現場の皆さんと確認をさせていただきました。
せっかくなので、その中の一つをここでも紹介したいと思います。
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