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付き合って2ヶ月で無職で学生のアフリカ人と結婚した私

ふと、「私あのときよく市役所に婚姻届出しに行ったな」って思うことが年に何回かあって。それって別に、何かが起きたわけでもなんでもなく、ふと思うんだけど。もし友だちに、「付き合って2か月のアフリカ人と結婚しようと思ってるんだけど」って言われたら、まあ止めるよね(笑)。
私の場合、結局は8割はタイミングだったかな、って思うほどにタイミングはでかかった。改めて、振り返ってみようと思う。

2015年7月 就職と出会い

2015年の2月に私はカナダから帰国し、大学院復学予定だったのだけどビジネスカレッジに通って世界の刺激を受けた私は、「いつまでも学生でいるなんて!早く自分で稼がねば!!」と思い、大学院は残すところあと1年だったのに退学することを決めた。辞めた理由はそれだけじゃなくて、いろいろ相まっての結果だったけどね。就活は5社から内定をもらっていて、その中の一つで職務経験もない私を中途採用で採ってくれた日本語学校に就職することにした。正直なことを言うと、自分がカナダで語学学校に通っていたときのスタッフはめっちゃ早い時間に帰るし、生徒ともよく話していて楽しそうだったから、「一番楽そうで」「一番楽しそう」というイメージで。侮ることなかれ、しかし日本の企業、全然そんなことはなく就業時間1時間前には出社しろと言われるし、就業時間ぴったりに帰るなんてありえない、先輩は立てろ、という昭和バリバリの目指せ!企業戦士!みたいな職場だった。(笑)
そう、私はここで夫と出会う。夫はこの日本語学校史上初のアフリカ人留学生で。私が英語で生徒サポートをする事務スタッフとして7月に入社し、夫は10月から学校をスタート。私の初めてのサポート対象生徒のうちの一人だったのがこの夫だった。
初めに会ったのは入学オリエンテーションの日。夫を含むガーナ人2名のほか、タイ人、スウェーデン人など約20名くらいがいるクラスで私は初めての入学オリエンテーションを実施したのだけど。アフリカ人って出会ったことがなかったし、めっちゃ陽気でテキトーってイメージがあったのに夫だけやったら細かく質問してきて。しかも、眉間にしわをよせて、全然日本ウキウキ楽しい留学生♪って感じでもなくて。(笑)面倒くさいな、って思いながら回答したんだったな、と今思い出した。

仲良くなったのは退職直前

もともとカナダから帰国してすぐに「また別の国にワーホリに行きたい!」と思っていた私。入社して半年後にはワーホリ行った先で最初1、2か月は仕事が決まらなくても生活できるかな、というくらいまでお金が貯まったので、オーストラリアのワーホリビザを取り、航空券もとって入社8ヶ月の2016年2月で退職することに。退職を決定づける出来事があったから思ったより早まった、ってこともあったんだけど。退職することが決まったからサポートしていた学生には辞めても連絡とろうね!と声をかけ、メールアドレスと電話番号を交換して。普通の学校ならダメなのかな?と思うけど、語学学校ってその辺そんなに厳しくないというか。いや、ほんとはもしかしたらダメだったのかも?(笑)
クラスのいろいろな子と連絡先交換して、そのうちの一人が夫だったんだよね。今度ディズニー行こうよ!って言って。アフリカ人ってディズニー行ったらどういう反応するんだろ!?と思って(笑)結局、ディズニーから結構近くに住んでいるのに結婚して6年半経つ今もまだ一緒に行ったことないけどね。
そのタイミングで、夫がたまたま、郵便を受け取ったけど日本語が読めないからよくわからない、ということで何かの手続きを手伝ってあげて。そこで一気に急接近!そこから電話するようになったりして、退職の日に会う約束をした。
在職期間中はさすがにまずいのかな?と思って。

渡航を止められる

退職する少し前から電話を頻繁にしていたのだけど、私は渡航の予定があったし、付き合おうといわれたような気もするんだけど(この辺曖昧)オーストラリアに行くから、って言って断ったんだよね。そしたら、「何しに行くの?仕事があるわけでもないのに。ふらふら遊びに行きたいだけなんじゃないの?」というめちゃくちゃ図星なことを言われ、「それならちゃんと僕と落ち着こう」と言われてなんか急にプロポーズ。(笑)
いやビザも取ったし航空券も取ってるし!って思ったけど、なんか当たっていてさ、自分もその先どうする?って思っていたんだと思う。

実は付き合っている彼氏もいた

その少し前のちょうど電話を頻繁にするようになったころは実は私には別の日本人の彼氏がいて。大学生のころからもう4年も付き合っていた彼氏で、彼はちゃんと大学院に最後まで通ったから卒業したら結婚をしよう、的な話も出ていたんだけど。大手に就職が決まった彼は、4月からは福岡か、どこかに研修で半年行くことになるらしいからついてきてほしい、と言ってきたんだよね。でも、籍入れるのは待ってほしい、と。当時彼はまだ25歳かそこら、卒業と同時に結婚なんて怖くなってヒヨッたんだろうね。今なら気持ちはわからなくもないけど、将来的に結婚する気があるならいつ籍を入れても一緒じゃない?と思っていたし今も思うし、籍を入れないのについていくなんて私にリスクしかないじゃん?っていう。それに、籍を入れない理由は、やっぱり「結婚しないかもしれない」という逃げ道を作っておきたいのでは?と思ってだんだん冷めていたんだよね。だから、ついていかないで、あなたが研修の期間、私はワーホリで別の国へ行くね、結婚したら行けなくなるだろうし、って。私は、それで現地で誰かに出会えばそのままフェードアウトかなーとも思っていたの。
そこで夫と急接近で。夫がアプローチしてきたのはまさにタイミングが良すぎで、
・まず結婚が圏内にあった
・オーストラリアに行きたいけど動機不順は否めかった
・ふらふらしてないで落ち着こう、という強い言葉があった
ということで、当時付き合っていたその彼は、私が夫と電話をし始めて早々に、「今ガーナ人の人と連絡とり始めていて。浮気とかもいやだし、被るのも嫌だし、別れよう」と駅前のタリーズで別れたんだよね。彼は当然、え?ガーナ人?急に?という感じでまあびっくりしていたし本気にもしていなかったけど。
彼とは4年も付き合っていたし、お互い旅行が好きで、海外旅行はスペイン・アメリカ周遊3週間・オーストラリアでスカイダイビング、など結構インパクトのある旅行もしたし、ハネムーンどこ行ったら良いんだ!?と思っていたほど。あ、彼とは行先がなかったんだな、と(笑)。そして行ったことのないガーナの人との生活が始まるから、人生っておもしろいなって思う。

そして2か月後に市役所へ

退職した2016年2月20日、夫と仕事後に初めてデートをして、そこからは早かった。電話でプロポーズのようなことは言われていたし、面白いのかなーと思ったりもして。正直、結婚前は夫のこともガーナのことも全然知らなかったんだけど、一つ直観で感じていたのは「真面目な人」ということ。しゃべっている感じからもそうだったし、なんとなく、真面目そうだな、と。でも仕事もしているわけじゃないし、日本語も全然わからないし、「お金を稼いでいないなんて男性としてだめだ!」と口では言っているものの、まあ本当かなんてそのときはわからなかったけどね。とにかく大博打だったんだろうけど、子どもがいるわけでもないし、もしダメなら別れれば良いか、と結構軽い気持ちもあったかな。

両親の反応

母はあなたが選んだ人なら、と言ってくれたけど心配だっただろうな、と思う。入籍したあとに、会いにきてくれた。ガーナ料理を食べ、夫はめちゃめちゃ母をもてなして(笑)。今でも仲良し。
父は、私が電話で「結婚したい人がいて。ガーナ人なんだけど」と言ったら、「もう帰ってくるな!」と突然ぶちぎれ。こちらも「どんな人かも言っていないのに?ガーナ人だからってこと?」と火に油を注ぎ、父は「勝手にしろ!」と言って電話を切った!勝手にしろ、と言われたので籍を入れることに。そこから昨年娘が生まれるまでの約6年、父とは冷戦に入ったんだけど。
でもね、高校のときの同級生の結婚式があって、仲が良かった男性陣に会ったときに、「ガーナ人と結婚したんだよね」って報告をしたのね。そしたらみんな、口をそろえて第一声が、「お父さんなんて言った?」だったの!
父の反応って、それまでは、何も知らないでネットの情報見てだか何だか知らないけど、なんなんだよ、って思っていたんだけど。みんなに、「帰ってくるなって言われた」って言ったら、「だよなー」ってみんな納得で。この男グループ、幼稚園から一緒で本当に一緒に育った兄弟家族みたいな過ごし方をしてきた仲間だから、きっと父親のような気持ちもあったのかな。それを聞いたときに、父の気持ちが少しわかったというか、そういうもんなのかな、って思った。周りにそういう人がいなかったし、環境面でも印象は変わると思うけどね。

そして現在、結婚生活もうすぐ丸7年。

2016年5月には入籍したので、もうすぐ丸7年。結婚当初は、本当に相手のことを知らなかったからこそもめることもあったりして、1週間口きかないことも。英語ですぐに言い返せなくて、くっそー!ああやって言えばよかった!とあとから思うこともあったし、籍が入っているからこそ別れられない!と思うこともあり。だめなら別れれば良いや、とは言っても、さすがにそーんな簡単には別れられないし、夫も、日本もわからない中で仕事をしたり(しかも日本人しかいないフルJapaneseで仕事してるからすごい(笑))きっとストレスがあるんだろうな、と気持ちを落ち着かせてやり過ごすこともあったりして。
結婚して半年間は学校に通い続けていたんだけど、半年後にはちゃんと仕事を探して就職。私より勤続年数はもう長く、会社も社長をはじめ、家族のように接してくれているよ。本当は結婚してすぐに、学校辞めて働く!と言っていたのだけど、それは私が止めてちゃんと予定通り最後まで通うことに。私も留学経験があるから、この先のことを考えれば半年くらい急がなくても良いんじゃない?って思って。当然、その間は私が養ったので私は良い人だったな、と思うけどね。(笑)
でも、夫のおかげで気が付いた日本のおもしろさとかもたくさん見つけられたし、生活の違いや考え方の違い・文化の違いもあり、夫は日本人みたいなところもたくさんあるけど、外国の文化に触れながら過ごすことができているのはとても興味深く、楽しめている自分がいる。

結婚したばかりのころは、これですぐ別れたら付き合う期間も短かったからやらかした感じ満載だろうな、って思っていたけど、もうここまでくれば例え別れることになっても性格の不一致、とか、まあ勢い余って結婚しちまったせい、って感じではなくなるな、と思っている。(笑)
出産・育児は実は文化の違いをゴリゴリに感じる新たなステージで、険悪になることも多々あったしスリ合わさってすらいないのでは・・というままに通り過ぎてしまっていることもあって、新たなステージに突入しているから、国際結婚はまだまだ奥が深い。

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ゆん@アフリカンとの日本生活
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