アフリカ人クリスチャンの夫との結婚
外国の人と結婚するとき、文化のこと、お金のこと、いろいろなことが未知で、それこそ一つずつ理解をしていかないといけないと思うのだけど、その中の一つに「宗教」があるかな、と思う。
私たちは付き合って2か月で結婚したので、あまりお互いのことを知らなくて。
というか、結婚しよう!というスタートだったので、とにかく結婚に関係しそうなことを結婚前に話してみた。
今回は、クリスチャンの夫と結婚したはなし。
※宗教的なことは私は全く分からず、あくまで自分の生活やまわりからの反応などの話です。
クリスチャンの夫と結婚するときに考えたこと
まず考えたのは、夫は私にもクリスチャンに改宗してほしいかな?ということ。
私のオーストラリア人の友人は、とても熱心に信仰していて、日本人と付き合ったときもクリスチャンじゃないとだめだと感じた、と言って別れていたほど。
ほかにも、いろいろな外国人の友だちと接する中で、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、などなど、留学経験や仕事柄、様々な宗教の考え方に触れてきたこともあり、宗教に関する考え方や思いは、その人にとってはとても大切なものであることは知っていたので、それを尊重したいとは思っていた。
でも、自分が信じられるかどうか、は、また別の話。
信じる、っていうのは自分の心のはなしだから、「信じて!」と言われても、OK!とすぐにはなれないな、と。
信じられる自信はないと伝える
私の結論は、といっても結婚前の2か月という短い期間での結論だけど、きっと心からJESUSを信じることは難しいかな、ということ。
なんたって、八百万の神がいるというなんとなくの日本で育ったのだから(笑)神社に初詣にも行きたいし、お葬式は日本式が良いなぁと思うし。
チャーチに一緒に行ったり、行事があるなら行事に参加したり、など表面的なことはできるかもしれないけど、心から「神様がいる。頼れる存在は神だけ。」と思うことは難しいかもしれない、と伝えた。
実際、今も神を信じる、ということがどんな気持ちなのかは分からないまま。
それに対し夫は、「信仰というのは自分自身で決めることだから、無理に信じる必要もないし、それはまったく気にしないよ」と言ってくれたので、結局私はキリスト教を信仰することもなく、今までと同じように、神社に初詣に行ったり、仏教寺に朝のお勤めに参加させてもらったり(これはツアー添乗員をやっていた際に組み込んだツアーでまた今度書こうかな)、都合の良い時だけ神社でお賽銭を投げて神様にお願い事したりしている。
クリスチャンの夫との日本での生活
これはあくまでうちの場合。
私たちは、夫が日本に来て半年後くらいに結婚したのだけど。
結婚した当初は、夫はまだ信仰心が強めで、毎夜お祈りのようなことをしていた。といってもイスラム教徒のようなお祈りではなく、ベッドの上で何か唱える感じ。
でも日本の会社に就職した夫はだんだん仕事が忙しくなってきて、祈ることはいつの間にかしなくなった。
食事制限も、キリスト教は無いのか、うちの夫が気にしないのかは分からないのだけど、特に制限はなく食事で困ることはない。
全体的に、特別に「クリスチャン」と生活しているな~という感覚は今のところない。
自国ではチャーチにも行っていたみたいだけど、日本では行っていないので日曜日も家にいるし、お出かけに支障が、みたいなこともない。
夫の考え方の変化
私たちは、私が海外旅行が好き、というのもあり、文化は宗教に強く結びついているな、と感じるので結構宗教の話をすることは多い。
キリスト教についても、高校までの授業で歴史の授業の成績は2だった私は全く興味なんてなかったけど、文化と結びついて話をしてもらうととても面白い。時代の背景には必ず宗教的要素も少なからずかかわっている。
夫の生活は、結婚した当初はお祈りもしていたし、信仰心も強かったと思うのだけど、最近はちょっと日本人みたくなってきたのもあり(笑)、フルタイムで働いていると「忙しくて祈ってる時間がない!」という。
もちろん、彼の中にはいつもGODがいるので信じる気持ちは変わらないみたいなのだけど。
「アフリカでは、仕事に行かずチャーチに行って幸せになりたい、と願う人もいるけど、そういう人はまず働くべき。日本人は、一生懸命働いていて、それでお金をもらい幸せになっている」と夫はいう。
でも私はそれを聞きながら、幸福度が低いと日本人は言われているし、逆に日本人は忙しすぎて心の余裕がないなぁ、と感じたり。
そういった生活背景も繋がっているから面白い、と思う。
ガーナのクリスマス、日本のクリスマス
クリスマスにはモミの木に飾り付けをし、大切な人と一緒に過ごす。クリスマスケーキを食べて、夜にはサンタクロースが来て枕元にプレゼントを置いてくれる。
これが日本のクリスマスであり、欧米の映画でも観たことがあるようなクリスマスだと思うのだけど。
まず、夫はそもそもサンタクロースという存在を知らなかった!
あんな格好してたらガーナでは暑すぎるよ、と(笑)オーストラリアのサンタクロースはサーフィンしてるから格好はたぶんなんでもOKだよ、と教えてあげた。
サンタクロースのことは日本に来てはじめて知ったようで、ガーナでは、親がプレゼントをあげることはあってもサンタクロースが来て枕元にプレゼントがある、ということはないらしい。
そしてクリスマスツリー。ガーナにはそもそももみの木はないらしい。あっても見たことがないのかも?と夫は言っていた。
なので、「もみの木に飾り付け」もなく、なんと、ガーナではクリスマスの日にはプランテーンやパームツリーなどの木を庭に植えるんだとか!
食事も、ケーキを食べて、なんてことはなく、ヤギを家族で丸焼きにしたり、ガーナ食の「フフ」というものを食べたりするみたい。ちなみに夫は豚肉や牛肉よりヤギ肉を好んでよく食べてます。(日本だと、外国食材が売っているところに売ってます。カルディみたいなおしゃれな感じじゃなくて、本当に外国食材屋さんが実はあるのです)
「フフ」はうちの夫もよく家で作っているので食事についてはまた別の機会にまとめようかな。
日本で過ごすガーナ人クリスチャンの夫とのクリスマスは、全くクリスマス感もなく豪華なレストランで食事、などもなく。
毎年コンビニのホールケーキを買ってきて楽しんでいます。私はお祝い好きでもないので、ガーナのクリスマスの過ごし方を聞いたり、結構楽しめてます。
ただ、子どもが生まれるので枕元にサンタさんからのプレゼント、はやってあげたいなぁ、と。こればっかりはじわじわと夫を説得しなければいけないな、と。
周りからの反応
正直、日本人の友人からは、夫はキリスト教、と言うと「え、キリスト教なの!?」という反応が圧倒的に多いのが事実。
イメージが、きっと、勧誘がすごい、新興宗教との違いも分からない、などなど、宗教=圧倒的にマイナスイメージが強いからなのだと思う。
私も正直、宗教については外国人の友達とたくさん知り合ってきた中で少しずつ理解してきたことだし、まだまだ理解できていないことの方が多いから、周りにそういう人がいなければ理解するのは難しいかな、と思っているし、全員が理解する必要もないのかな、と思うのでそこはあまり触れずに過ごしている。
私の実母も、結婚が決まった時、あからさまではなくとも少し難色は示していた。けれど、文化の話や生活への影響など、私が夫から学んだことなど話していたら、納得してくれた、というか、そんなもんか、という感じにおさまったように思う。
まとめ
宗教はとても難しく、心の、というか精神的なことなので、本当にその人によると思う。
うちの場合は、私が信仰しなくても夫は気にしていないけれど、人によっては同じ宗教の人じゃないと結婚できない、という人もいるし、相手の家族が反対したりすることもあるんじゃないかな。
あとは生活面。
食べ物は特に生活に関わるかも。
例えばハラルフードしか食べられない、となるときっと近所にハラルフード販売のお店がないと買い物は大変になるし、何よりスーパーで買うよりも高くつくと思う。
以前、私の友だちでヒンドゥー教の子に、コンビニのおでんを食べてみたいんだけど、出汁に何が使われているかわかる?と聞かれた。おでんなんて元々おでんの素買ってしか作ったことがないし、中身を気にしたこともなかったので、そこまで気にするのは大変だなぁ、と思ったこともあった。
イスラム教の友だちはラマダンがあるから、ご飯食べに行こう!となったときも食べに行けなかったり。
外食関係は特に気を使うかもな、と感じた。
でも、私が夫と結婚するとき、イスラム教の子に、なにげなく相手の人はキリスト教なんだよね、と話したら、
「神を信じている人は心が強いから良いと思う。心の拠り所があるから」と言ってもらい、なるほど、と後押しになったことも。
宗教に関わらず、だけど、結婚相手のことで気になることがあったら、決めつけずに相手の思いや自分の思い、文化的背景など、納得できるまでとことん話してみたら良いかな、とつくづく感じる。