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ダイバーシティを考える:カンファレンスで出会った「マントラ」の力
ダイバーシティを考えるカンファレンスで出会った「マントラ」
先日参加したカンファレンスで、ダイバーシティをテーマにしたセッションがありました。その中で登壇者がマントラについて触れ、ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)のニュースレターを勧めていました。
帰宅後、早速HBR内で「mantra」と検索すると、『Using a Mantra to Be a More Inclusive Leader』という記事を見つけました。私は帰国子女として、多様な環境で生きてきた経験から、ダイバーシティを受け入れる「インクルーシブ(包括的な)な環境」に強い関心を持っています。他にも関連する記事がいくつかあるようですが、職場に限らず広い視点でこのテーマを考えたいと思い、まずはヒットしたこの記事を読んでみました。
そもそも、マントラとは?
マントラとは、特定の言葉やフレーズを繰り返し唱えることで、心を落ち着けたり、集中力を高めたりする手法です。もともとは宗教的な祈りや瞑想に用いられていましたが、現代では自己暗示やスローガンとしても活用されています。
余談:私の「マントラ体験」?
この記事を読んで思い出したのが、バイオリンの演奏会前に祖母が言っていた一言です。「観客席に座っているお客さんはみんなジャガイモだって思えばいいのよ」演奏前の緊張を和らげるための言葉だったのですが、今思えば、これもある種の「マントラ」だったのかもしれません(笑)。
「どんなに偉い人もジャガイモだ!」…この経験から、私は就職後、役員の方とお話をする機会が多々ありました。その際には、役員をジャガイモだ!と考えて会話をするようになったんです…いえ、これは嘘です。正確には「役員もみんな人間だ!小さい頃は赤ちゃんだった!」と思って会話するようになりました。これは本当の話です(笑)。こう自分に言い聞かせることで、緊張しなくなるんです。小さい頃に緊張を克服する手法を教えてくれたおばあちゃんには、本当に大感謝しています。
インクルーシブな職場を目指すための「マントラ」
HBRの記事では、リーダーが無意識の偏見を克服し、チーム内の全員が尊重される環境を作るためのツールとして「マントラ」を活用する方法が紹介されていました。
例えば、あるリーダーは「I respect your expertise(私はあなたの専門性を尊重します)」というマントラを用いることで、チームとの関係を改善し、より包括的な環境を築くことができたそうです。
包括的なマントラの作り方
記事では、インクルーシブな行動を促すためのマントラの作り方が、以下のステップで紹介されていました。
① 意図を明確にする
参加する会議や対話で「包括的に振る舞いたい」と考えたとき、自分の自然な思考や感情がその目標と一致しないことがあると認識する。
「自分がどう見られるか」ではなく、「相手がどう感じ、行動しやすい環境を作れるか」を考える。
② マントラを作る(その際、下記の3つの要素を満たすこと)
シンプルで力強い真実(Pure)
「I’ve got your back(あなたを支えます)」のように、具体的でわかりやすい言葉を選び、「I value inclusiveness(私は包括性を重視します)」のような抽象的な表現は避ける。相手に向けた言葉(Social)
自分自身の気持ちを強めるのではなく、相手の不安を和らげる表現を選ぶ。(例:「Tell me what I don’t understand(私が理解していないことを教えて)」)本心からの言葉(Authentic)
誠実で自分が本当に言える言葉を選ぶ。(例えば、気分がよくない日に「I’m so happy to see you(あなたに会えて本当にうれしい)」がしっくりこないなら、「I’m glad you’re here today(今日ここに来てくれてうれしい)」のように調整する。)
③ マントラを実践する
これから入っていく状況を意識し、適切なマントラを選ぶ。
頭の中で繰り返し唱えることで、その意図を行動につなげる。
④ マントラの例※
You belong here.(あなたはここにいていい)
Your contributions are valued here.(あなたの貢献は大切にされている)
Tell me what I don’t understand.(私が理解していないことを教えて)
We’re in this together.(私たちは一緒に乗り越える)
※日本語の直訳だと違和感があるかもしれませんが、「自分ならどんな言葉を使うか?」を考えてみるのも面白いかもしれません。
マントラは「インクルーシブな行動」を助けるツール
HBRの記事では、マントラは、リーダーが自分と異なる従業員との心理的・社会的な壁を乗り越え、真に包括的な行動を取るための強力なツールであるとまとめられていました。
私自身、リーダーとしての立場ではなくても、日常の対話や人間関係において、マントラを意識的に使うことで、より良い関係性を築けるかもしれないと感じました。
皆さんなら、どんなマントラを作りますか?
※先日参加をしたカンファレンスについては下記にて取り上げています↓↓
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