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メールの書き方,今更聞けない。

「メールってどう書いていいか分からないんです。」
 
実はこういう学生からの相談がここ数年増えています。これは敬語が分からない,メールのソフトウェアとしての使い方が分からないという意味ではなく,何を書けばいいか分からないという質問です。理由は普段メールを書くことが減っているからでしょう。SNSの発展で,インスタのDMからのライン連絡という流れが支流になったことの影響でしょう。このような通信方法は,会話のように短文を何度もやり取りするのは,コミュニケーションでつながっているという連帯感や臨場感を重視しているから。既読 というシステムも今を大事にするという現れです。一方で,このような相互に何度もやりとりする方法,短文になれすぎる影響が,「メールの書き方がわからない。」につながってきているようです。
 
例えば大学1年生から多いメールの例が
 
「ちょっとお時間ありますか?」
「相談があるのですが?」
 
です。名前とこの一文しか書いていないメールです。下手をすると名前すら書いてない場合もあります。これが身近な存在からのラインなら良いかもしれませんが,大学の先生や例えば就活のOBOGや,新社会人で会社の仕事相手へのメールだとしたら,多くの人が不十分さを指摘すると思います。
 
こういうメールを送られると(学生に悪気がないことは分かっています)一般的には丁寧な印象も,気遣いがある印象も与えません。場合によっては,面倒で無視する人もいるでしょう。
 
なぜかというと,この短文からでは,返信するための情報が不足しているからです。どの程度の時間が必要か、何について時間が必要か,何について相談があるのか何もわからないです。あるいは,そもそもその相手として私が打倒なのかも分からないです。そうなると,まずはそういう状況を整える5W1Hの部分についてのあらゆる質問をこちらからするしかなくなります。あるいは忙しい人なら無視してしまうかもしれません。
 
もちろん言いにくいことがあるからそういう書き方をあえてする人もいると思いますが,そういうプライベートな相談事ではない場合について考えてみましょう。その場合は例えば,
 
「○○という授業の課題3について,分からないところがあります.制作中の作品を見て頂きながらご相談したいので,対面で30分程度,今月末日までにお時間頂戴できないでしょうか? 」

程度をメールに書くことが望ましいでしょう。
 
こうすれば,何回連絡のやりとりをする必要がなく,少ないやり取りでメールが終わります。つまりラインやSNSのDMと違い,メールは,

・やり取り自体を何度も行うことはメールの目的ではない(場合が多い)
・メールのやり取り自体,相手のメールを打ち込む負担を減らす工夫
・メールを返信するために検討する負担を減らす配慮

が”何を書いたらいいか”の(ビジネス的な意味で)内容を考える軸となると考えます. 

もちろん,大学での学生と教員のやりとりについて,ビジネスライクにすべきか,友達感覚にすべきか,というそもそも論もあるかもしれませんが,
私は将来のことも考えて,そして親しき中にも礼儀ということで,今回紹介したような工夫をメールを書く際にお願いしています。

同じくメールを書く際にどうしていいか悩んでる人,メールの書き方で怒られた経験がある人がいたら,参考になればと思います。

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