ムスメの発達検査にまつわるいろいろ①

グレーならではの悩み

発達障害、特にグレーゾーンに理解がない話。

学校で支援する側にいると、うちの子に問題はない、発達検査なんて必要ないという親が多いと聞きますが、発達検査はその子の得意不得意が分かるもので、自治体によっては高い検査がタダだったりしますから、機会があれば子供のことを詳しく知れるので、積極的に受けた方がいいと個人的に思います。

グレーゾーンの場合、余程問題がない限り、声をかけられることなんてありませんけどね。

うちの場合、長い間私一人の悩みでしかありませんでしたから、分かりやすいことはある意味ラッキーにも思えてしまいます。発達障害のサポートは何であれ大変なんですけどね。

我が家のふたりはどちらも発達で、人に対する思いやりも共感も家では無いタイプでした。

なので、学校から声を掛けてもらえるなんて、ある意味、外の人に理解してもらえて、サポートも受けられますから、同じ特性をもっていても待遇は雲泥の差です。

ムスメが手に負えなくなったのは小５の時、もうこれ以上無理だと思い、私が家出を考えた時期でした。

特性が絡んでいたのは間違いないのですが、その辺りの時期は、モトオが実家と絶縁したり、鬱になったりして、ただでさえ扱いが大変だったモトオが輪をかけて大変になっていた時でもあったので、ムスメにも影響があったのは間違いありません。

特性等で、一見可哀想に思えるこのふたりですが、実態は『何様なんだ！？』というもので、傍若無人は同じでも、ムスメはモトオが怖いので、その態度は私にだけという感じでした。

そんな最悪な状態の中、学校に相談すると、言われたのはこういう言葉でした。

「普通によくあることです。　心配し過ぎですよ、お母さん。」
「外で頑張っているから、家でお母さんに甘えてるんですよ。　みんなそうですから、大目に見てあげてください。」
「お母さんが大らかな気持ちで、いてあげることが大事です」などなど。

安心させるために言ってくれているのは分かるのですが、発達障害が関わっていると次元が違うことに、教員も知識がないので、親がどれだけ疲弊しているか分からないのです。

これもよく言われましたが「何人も子供を見てきて知っていますが…」という教員の話。相談した親は、たくさんの子供を見てきた教育のプロが言うのだから、そうなのかと、更に我慢してしまいます。

発達障害の特性をもっと勉強して欲しいと、思いますが、これも今の人数配分では無理ですから、国が動かないことには変わらないのかなと思います。

なんでもそうかもしれませんが、専門医と言っても、詳しくない医者は沢山いますから、相談しても分かって貰えていないと感じても、分かってくれる人に繋がれるまで諦めず声を上げるべきと思います。何かが、おかしいという自分の直感を信じて欲しいです。

文部科学省も教員の資質向上の為、発達障害の研修などを義務付けるとは言ってますから、よくあるこの手のミスリードはせめてなくなって欲しいと思います。

教育に携わる人すべての人に知って欲しいグレイゾーンと定型発達との違い

グレイゾーンは基本、知的には問題がありません。うちのムスメも勉強をすることに関しては問題だらけでしたが、成績は中一の１学期まで、まあまあいい方でした。

グレイの中には、IQがものすごく高いギフティドと呼ばれる子供もいるくらいですが、だからといって安心できないのが発達障害です。学校にもそういう子供がいますが、日常生活においては『どこが？』と思ってしまうくらい問題行動が激しかったりします。

グレイゾーンの子に共通するのは、その年頃には既に獲得しているはずの一般常識や感覚、他人視点、自分の感情というものが、まるっきりなかったり、分からなかったりする点です。ですが、目に見えない為、周囲は『まさか！？』な事態に四六時中見襲われることになるのです。

ムスメは学校では、おとなしく、まったく問題を起こさない子でしたが、それは黙って、分からないことを隠しているだけなのでした。学校で静かにしているけれど、家で暴れるタイプはまさにそれ。家と外のギャップが激しいのは発達グレーの特徴の１つでもあります。

自分が分からないことが、自分で分からないので、「なんか自分だけいつも置いていかれる感じがするけど、なんで？」と思いながらも、分からないと正直に言ったりしたら「聞いていない！」と怒られるので、静かに分かったふりを続けているのです。

日本の学校は本当によく怒ります。時々、何度言われても分からないので、私が助けることになっているのにそういう子に対しても「何度言ったら分かるの！？　そうやっていつも助けてもらえると思ったら大間違いなんだよ！」と、助けてあげてる私ごと怒ってきたりする先生もいるくらいですから、まだまだ無理解が横行しています。

おとなしい子だけではなく、逆に喋りすぎるくらい一人でよく喋る子にもそれは当てはまります。なんに関しても、極端と覚えておくといいかもしれません。

どちらも共通するのは、自己認知が低く、一斉に出される指示について行けないこと。実は、学校だとクラスの中で見つけやすかったりするのですが、それは私のような支援員がいればの話かもしれません。

一方学校現場では、そういうおとなしくて問題を起こさない子供はクラスの運営上、都合が良かったりするのも事実です。日本の教育理念がいまだに『我慢できる子供を作ろう！』なので、矛盾しているのですが、これはまた別の話なので、ここで留めておこうと思います。