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災難で本当の人柄が分かる 大変な時こそ、人はぼろが出るというか、地が出るものです。我が家では困った事になると、そこにモトオの特性が加わって更に酷くなるのが常でしたが、これはその昔、婚約中の時の話です。 出会った時から不思議だったのは、モトオが優秀な営業マンということでした。 普段は消極的でおとなしいのに、急に積極的になったり、仕事も出来たり、とにかく意外性の塊でしたが、私はそれを魅力の一つと捉えてしまっていたのです。この時も好成績を上げたということで、海外リゾートでの授賞
「白だったらどうしてくれんの?」と凄んでいたモトオでしたが、医者からASDと言われると、あっさりそのまま発達障害専門クリニックに通い始めました。 お金や権力に弱いので医者の言うことは聞いたり、私にそんな口を叩いたことなどなかったかのようにするモトオの態度には腹が立ちましたが、とにかくこの時は前進と思い喜びました。 そのクリニックには、私が勉強してあったらいいなと思われるプログラムがいろいろ用意してあり、SST(ソーシャルスキルトレーニング)もありました。 話が前後します
モトオが不機嫌なせいで家の雰囲気は、いつも最悪でした。彼が元凶であることは明らかなのに、本人は微塵も悪いと思っていないのですから、出来るだけ関わらないようにするしかありませんでした。 それでもある日、考えた末、出来るだけ感情を抑え、具体的にお願いしてみることにしました。家族の為と言えば、いい加減考えてくれるだろうと思ったのです。 お願いというのは、嘘でもいいから笑顔になってもらうこと。外の人に見せている笑顔を家族にも見せて欲しい。ただそれだけでした。 そもそもモトオが、
母子手帳 妊娠して、母子手帳を貰ってきた時の話です。 私は貰ってきたばかりの母子手帳を広げ、モトオの目の前で書き込みをしていました。つわりが酷く、日中ソファで横になることもしばしばで、毎日具合が悪いと伝えていました。なので、私のこの辛い状況をモトオは理解してくれている、と私は思っていたのです。 手帳の”妊婦の健康状態等”というページに、夫の健康状態を書く欄がありました。健康か、よくないか、のどちらかを丸で囲み、よくない場合はその病名を書くというたった一行の簡単なも
自己理解ができない モトオは車好きでしたが、自分から好きだと言ったことは一度もありませんでした。「あなたは外車が好きだよね」と言われると「オレはスポーツカーが好きなんだ!」と逆ギレしていたのも、基本的に自分のことを理解するのが苦手で、おまけに人から決めつけられることが何より嫌いだったからだと言えます。 決めつけるも何も、好きなら好きと言えばいい話ではないか、と思ってしまいますが、些細なことにこだわってしまう特性は、その思い込みが激しければ激しいほど、他害に繋がってしまうの