海外から来日、2か月前から介護職員の移乗作業で腰痛/30代 男性 介護職員
気になるところ
腰痛
2か月前から来日され現在介護施設で移乗介助を行う、その頃から腰椎下部に痛みを覚える。
特にご自身での着座動作(起立)に発痛「ぴきっ」とした走るような痛み。
本国インドネシアに在住の際も腰痛があり、マッサージなど良く受けられていたとの事。
統合して考えると既往だった腰痛が今回の不慣れな仕事ゆえ、再発増加した感が否めないと言う事。
但しレッドフラッグに直結するような安静痛や夜間痛は現在無い。
仮説と検証
1)座位姿勢がとても悪く円背(猫背)がきつい→抗重力伸展活動での多裂筋+腸腰筋の協調作業が出来ていない、故に胸最長筋や腰腸肋筋などのアウターが体幹伸展他姿勢作りに従事している。
検証の為、コンディショニング実施前に上半身重心を整え猫背を徒手的に修正、この姿勢にて起立動作を行うと起立時に無痛。
更に起立動作をセラピストが徒手的に介助(リーチングを使う)を行うと、起立動作の痛みが消失する事が判明。
この事から1に重きを置くことにして以下も考える。
2)1から過負荷にて捻挫炎症の可能性
3)1から下部腰椎(L4-5:第4‐5腰椎)の椎間が過負荷されスタビリティ(姿勢維持固定)が低下と深部炎症の可能性もある(椎間関節性の腰痛)→患部椎骨からの上位の可動性が低下?と言う事でコンディショニングを行う。
コンディショニング
1)アイシング20分
2)シャワーだけで患部を暖め過ぎない
3)L3(第3腰椎)から上位の(胸椎まで)椎間関節のモビライゼーション、特に胸椎の伸展可動域を拡げ円背を修正した。
備考
本国でも腰痛がありマッサージを受けていたとの事、今回の一過性でのお悩みではない事が判明、腰部のマッサージで更に安定性低下した事も長期に渡りお悩みを抱える一因とも考えられる。
ヒトの動作は協調作業で、前屈も伸展もアーチを描く如く滑らかに曲線を描く必要がある、一部だけ動きすぎると今回の様に痛みを起こしやすい。
椎間関節のスタビリティ低下を起こすと今度は筋組織がリカバリ―に回る、つまり過緊張してその部位も炎症を起こし、繰り返しは慢性化と長期化を起こす要因なので、動きにくい部位をアクティブにすることにより局部への過負荷炎症→発痛は軽減されるのではと思います。