こころの薬膳 あとがき①
※マガジンは未完ですが、前作のあとがきページをひとまず掲載しておきます。このマガジンのあとがきにあたる記事はもう少しのちほど。
気分がすぐれない、元気が出ない、そんなの誰にだってある。そう言われること自体が辛い。そんなことわかってるから。
でも、いつものあのやる気のなさとは何かが違う。
仕事には頑張って行くけど、遊びの約束はキャンセルして寝ていたい。楽しいことは行ける、というのは「間違ってる」から。
訳もなく涙が出てくる。
これくらいの状態で、何とか持ち直してほしいなあと思います。
まだまだ理解してもらえることの少ない、こころの病気。
リラックス、リフレッシュしたら直るなら、それはまだ鬱じゃあない可能性の方が高いでしょう。大丈夫です。
鬱になってしまったら、リラックスしようがリフレッシュしようがダメ。
しかも、逆効果になることもあります。ご本人もわかっていないことが多いし、周りは親切心で色々なリフレッシュ作戦を勧めますからね。仲が良ければ良いほど、気になって勧めてしまうのも分かります。
だからこそ、とらえどころのないこころというものを、まるでモノのように扱う学問、中医学に、答えがあるのかもしれません。
とはいえ、西洋医学のお薬にも、私は大変お世話になりました。
主治医の先生の腕が良かったのもあると思います。が、西洋医学には西洋医学の統計データがあります。私のつたない症状の説明から、より私に合うであろう成分をいつも模索してくれた先生に感謝です。また、こころは薬で操れるという事に気づくことができた幸運な体験でもありました。
それが薬膳を見直すきっかけにもなりました。いつでも、東西の医学が私の中では混在しています。
そして、どうやって仕事を続けているのか、という事もよく尋ねられます。
会社という組織に属して仕事をしていた時は、周りに迷惑をかけないように、理解のありそうな人には自分が双極性障害であることを公表していました。どうしても、気分の波を隠せない時があるんです。
鬱の時はまだ、
「元気がないけど大丈夫?」
「今日テンション低いですね」
と言われるだけなのですが、躁の時がまずいのです。
なので、異常なテンションの時に「気にしないでいてもらう」ために伝えていました。
ただし、これは会社自体が医療業界であり、精神疾患にある程度理解のある上司や同僚が多いからできたことだと思います。
それからもう一つ、大事なことは「自分の全力の60%しか働かないようにしている」ということです。私の場合は、体力的にも60%、根をつめる具合も60%程度にしておかないとガス欠します。
なので、がむしゃらに仕事をしているという状態はないです。ふわふわしているように見えるかもしれません。
でも、これはとても大事なことです。突然入院することになった時に気づいたのです。
「迷惑をかけない」ために頑張りすぎて、結局迷惑をかけたこと。
継続できるという事がどれだけ周りの人たちにとって有益か、よく分かりました。
人よりすごい成果を挙げて短期で倒れるよりも、普通でいいので継続してくれる人の方が重宝されます。(もっとも優遇されるのは、人並み以上の成果を挙げることが継続できる人、なのでしょうけれど。)
また、会社という組織の中では、「私にしかできない仕事」なんてない、という事にも気づきました。会社の中では私は一つのコマに過ぎない。コマであるべきで、「誰かにしかできない仕事」が存在しないように、会社の仕組を作るべき。これは人事部にいた時に感じたことです。
でも逆に、プライベートの人間関係の中では、私はたった一人、唯一の存在であることも分かりました。だから、自分を犠牲にしてまで、仕事をしてはいけない。
それは、本当に大事な人たちに対して一番の迷惑だと理解できたことも、入院してよかったことです。
いろんなことをひっくるめて、鬱という病気を体験してよかったと思います。体験どころか、物心ついてからだったわけですけど。
この際、双極性障害という病気を楽しんでやろうと思います。
人生折り返し地点(なのか、もっとゴールに近いのか分かりませんが)、ここまで来れたのは、こんなにも不安定な私を見守ってくれた周りの方々のおかげです。その中でだったからこそ、ここまで病気を受け入れ、薬膳を芯にして様々に乗り越える方法を見出して来られたと思います。
だから今後は、みんなからもらった御恩を、読者のみなさんに送りたいと思います。うまく書けなかった部分もありますが、読んでくれたあなたが、少しでも楽になれば幸いです。
最後に。いつも好き勝手させてくれる母と軌道修正してくれる父、「ふつう」の道を進まない姉を誇りに思うと言ってくれた弟、それからアニマルセラピーしてくれたチコに 感謝をこめて
ほとんどの記事を無料公開しています。 なので、「新しい記事待ってるよ!」「頑張れ!」「おもしろかったよ」など思っていただけたら、ご支援いただけますと嬉しいです。 100円から可能です。お気軽にどうぞ。