日本に来る難民の可能性にスポットライトを当てるお話
こんにちは、やわデザnote編集部兼「目的地は鬼ヶ島」制作チームの ひろきょんです。
以下の記事でご紹介したとおり、富士通グループ横断「やわデザ」コミュニティを舞台に新しいイベント「目的地は鬼ヶ島」がスタートしました。
「目的地は鬼ヶ島」は、一言でいえば「社会課題」についてみんなで楽しみながら理解を深める、全9回の社内イベントです。
本記事では、新シリーズとなる「ニュースの見方が変わる編」の第1話(6月13日開催)についてレポートします。
イベントの雰囲気を実際に感じてみたい方は、以下の動画をご視聴ください(40min)。
自らの境遇にかかわらず、ともに未来を築ける社会をつくる
今回の桃太郎(ゲスト)は、NPO法人WELgee(ウェルジー)の 渡部 カンコロンゴ 清花(わたなべ カンコロンゴ さやか)さん です。
みなさんは「難民」と聞いてどんなことを想像しますか?
きっと多くの人は難民との接点がなく、「命を脅かす場所から緊急避難して来る人」「途上国から来る貧しくて支援が必要な人」をイメージするのではないでしょうか。
実は、母国を離れざるを得ない理由はそれだけではありません。
「自由に発言できる社会をつくりたい、と活動をしたら身の危険にさらされた」「女の子が学びたいというだけで弾圧された」「LGBTQだと特定されると刑罰を受ける」など様々な事情があります。
現在、迫害・人権侵害・紛争などから逃れ、日本で暮らす難民は約2万人。日本へは「観光ビザ」で来るため、期限が切れる前に難民認定の申請をしなければなりません。しかし、認定を受けるには本人が難民であることの証拠を示すなどして自ら立証することが求められます。多くの場合、立証することはとても難しく、日本の認定率は諸外国に比べてとても低いとのこと。
渡部さんの活動の原点は、大学生の時にバングラデシュで平和構築の仕事に携わっていた頃まで遡ります。政府からずっと弾圧を受けていた先住民族と生活を共にする中で、「国が国民を守ってくれない」「国が自分たちの命を脅かしてくる」という状況を目の当たりにし、渡部さんの頭の中に大きな疑問が生まれました。それは、「この人たちはどうやって地球上で生きていけばよいのだろう?」「なぜ世界から取り残されている場所があるのか」という壮大で複雑な問いでした。
帰国後、渡部さんは難民の就労を支援する「WELgee」を立ち上げます。WELgee(= Welcome + Refugee(難民))に込められた想いは、難民の人たちも歓迎できる社会をつくっていきたいということ。
難民は日本の言葉も文化も分からず、頼る人もいない中で、自分の人生を再建していかなくてはなりません。WELgeeが提供するキャリアのプログラムは、難民の方がこれまでやっていたことを活かして活躍したり、新たなスキルを身につけたりして、夢に向かって自分らしく生きることを実現する伴走支援です。
難民には日本人の私たちにはない多様性や強みがある、と渡部さんは語ります。もし時代や国が違っていたら、社会を変革するイノベーターになっていたかもしれません。
WELgeeは、難民認定の難しい日本で、ただ結果を待つのではなく、難民が企業に雇用され「就労ビザ」で日本にいられるようにするという取り組みを通じて、難民に対する企業や社会の認識を変えようとしているのです。
運転手のヤマカワが、おとぎ話「桃太郎」を例えに渡部さんにとっての「鬼(一番大きな困難や課題)」を尋ねたところ、「固定観念をポジティブに壊していきたい」と話されました。
渡部さんは「自らの境遇にかかわらず、ともに未来を築ける社会」をまずは日本で実現させ、それが世界に広がっていく未来を思い描いています。将来、母国が平和になり戻った時に社会の担い手になれるように、難民のみなさんが自立・活躍しつつ、周りの意識や社会の認識も変えていく、この2つが大事だと思っているそうです。
WELgeeでは、マンスリーサポーターなど、個人でも活動に参加できる方法を用意しています。少しでも関わりたいと思った方はぜひ登録してみてはいかがでしょうか?最後に渡部さんは「難民の仲間にもぜひ会いに来てください」とおっしゃっていました。
イベントを視聴した社員の反応は?
当日視聴した社員は約180人でした。イベント中に、投票サービス「slido」に寄せられた社員の感想やコメントをいくつかご紹介します。
アンケート結果からもいくつか感想を抜粋してご紹介します。
第2話へ続く
「目的地は鬼ヶ島、面白い!」と思った方はぜひ、「ニュースの見方が変わる編」の第2話「妊娠で社会から孤立した女性に寄り添う助産師のお話」の開催レポートもぜひお楽しみに!
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