妊娠で社会から孤立した女性に寄り添う助産師のお話
こんにちは、やわデザnote編集部兼「目的地は鬼ヶ島」制作チームの ひろきょんです。
以下の記事でご紹介したとおり、富士通グループ横断「やわデザ」コミュニティを舞台に新しいイベント「目的地は鬼ヶ島」を開催しています。
「目的地は鬼ヶ島」は、一言でいえば「社会課題」についてみんなで楽しみながら理解を深める、全9回の社内イベントです。
本記事では、「ニュースの見方が変わる編」の第2話(6月22日開催)についてレポートします。
イベントの雰囲気を実際に感じてみたい方は、以下の動画をご視聴ください(40min)。
妊娠にまつわる「全ての困りごと」に寄り添う
今回の桃太郎(ゲスト)は、特定非営利活動法人ピッコラーレ の 中島 かおりさん です。
中島さんの活動の原点は、第二子を出産した時です。一人目の出産で辛い経験をした中島さんは、育児中に「助産師のケアを受けながら出産する」という選択肢があることを知り、二人目を出産しました。
当時、研究職というキャリアに少し停滞感を感じていた中島さんは、出産に立ち会った助産師とのなにげない会話の中で、「今からでも(助産師に)なれるわよ」という言葉が頭に残ったそうです。
その言葉がきっかけとなり、助産師という新たなキャリアを歩み始めた中島さんは、17歳で出産したある女の子に出会います。彼女は、地域のサポートなどを受けつつ、勉強もしながら子育てをしていました。それだけでなく、「妊娠したかも」という友達の相談にも乗っていたそうです。
さらに、赤ちゃんポストで話題にもなった熊本の慈恵病院に寄せられる「妊娠にまつわる」相談の多くが、首都圏からだという事実を中島さんは知ります。「首都圏に相談先がないのなら、自分たちがやろう」という思いと、「妊娠中に中島さんに会えたらよかった」という、17歳の女の子の言葉に背中を押され、妊娠中からSOSを受け止める窓口(当時は、にんしんSOS東京)を仲間と共に立ち上げました。
ピッコラーレでは、妊娠にまつわる全ての「困った・どうしよう」に寄り添うことをミッションに掲げています。妊娠したことを一人で抱えている女性からの小さなSOSをキャッチして、つながり、相談に乗るだけでなく、会いに行くこともあります。その中でも、「妊娠したかもしれない」という相談が約6割もあるそうです。
ピッコラーレの活動をする中で、中島さんは想像を超えた現実に直面することになります。それは、妊娠をしたことで家にいられなくなり、居場所を転々としながら、バイトをするなどしてその日暮らしをしている妊婦の存在でした。
「漂流する妊婦が安心できる居場所をつくりたい」と考えた中島さんは、周囲を説得するなど様々な困難を乗り越えて、居場所のない妊婦が、これからのことをゆっくり考えることができる居場所「ぴさら」を開設しました。
運転手のヤマカワが、おとぎ話「桃太郎」を例えに中島さんにとっての「鬼(一番大きな困難や課題)」を尋ねたところ、「無関心」とコメントされました。
現在、中島さんは、「(制度の枠から外れてしまうため)必要な制度を使えない相談者も制度を使えるようにしてほしい」と、関係省庁などに訴える政策提言活動も精力的に行っているそうです。
最後に中島さんは、相談窓口や一時的な居場所も続けつつ、もっと長い時間軸で伴走しながら、例えば「週末だけの里親」のように、ゆるくつながり続けるコミュニティのようなものができたらいいなぁと、夢を語ってくれました。
イベントを視聴した社員の反応は?
当日視聴した社員は約250人でした。イベント中に、投票サービス「slido」に寄せられた社員の感想やコメントをいくつかご紹介します。
アンケート結果からもいくつか感想を抜粋してご紹介します。
第3話へ続く
「目的地は鬼ヶ島、面白い!」と思った方はぜひ、「ニュースの見方が変わる編」の第3話「性の多様性を通じて未来を虹色に変えていくお話」の開催レポートもぜひお楽しみに!
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