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『蔦屋』文庫版(文春文庫)発売です

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 色々と以前から騒いでおりましたが、ついに発売日です。
 2014年に発売し、色々と物議を醸しつつもなんか世間に傷跡を残した感のある谷津矢車の代表作、『蔦屋』です。

 ※註:明日 2024年10月9日

 公式サイトはこちらです。
 
 谷津矢車初期の代表作と謳われておりながら、十年余り、ずっと文庫化していなかった、正確には著者が文庫化を止めていた小説でした。学研さんではロングスパンに売れてくれ完売状態で絶版していた本作、文春文庫さんにお迎えいただき、発売と相成りました。

 今回の刊行に当たり、かなり手を入れました。
 ストーリーラインや人物造形に手を入れず、大幅に描写部分に手を入れた感じです。漫画に喩えると、ネーム(原稿前の下書き)はそのままに、原稿を書き直した感じ、といえばよろしいでしょうか。とはいえ、ちょっと気になる箇所はあったので、ストーリーもちょっとだけ手を入れましたが、基本線は変えていません。改稿の前、当然本作を読み直したんですが、なんかこう、妙にエネルギーがあるというか、殺気が籠もっているというか。とにかく、著者の切実さが伝わってくる小説だったんですね。その頃のわたしの想いに斟酌を加えつつ、今のわたしだったらこうする、という風に組み上げ直しました。たぶん、当時のわたしも許してくれるんじゃないかなー、という気がしています。

 そして本書の解説は「代打オレ」。というわけで、わたしが務めております。まあ、解説というか、当時の思い出話をしています。
 先に、「著者が文庫化を止めていた」と書きました。
 実は、文庫化のチャンスは何回かあったんですよ。ところが、色々あってやる気がせず、お断りして今に至っていたのです。
 未だに言えない話も多いのですが、かなり正直に自分の思いを書きました。たぶん、本件について、これ以上のことを語る機会はないんじゃないかと思います(飲み会の座興以外で)。
 そもそもわたし、あんまり自分の話をしないので、この後書きはかなり貴重なサムシングになると思います。

 それにしても……。
 皆様のご厚情に感謝としかいいようがなく……!

 こちら、注釈が必要ですね。
 ある売れっ子作家さんから、こんな話を聞いたことがあります。
「AMAZON順位で書籍ランキング1000位以内に入った辺りで、本は重版ラインに入る」
 こちらはその作家さんの肌感覚、それも数年前の話なので、今、通用しているかどうかは分かりませんが、と前置きして。
 上記のつぶやき段階においては、文芸書ランキング23位、書籍ランキング250位前後でした。つまり……。
 売れている、ということです。
 本当にありがとうございます、読者の皆様。

 と、出足好調、というか好調すぎて怖い『蔦屋』をなにとぞよろしくお願いいたします!

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