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店長あるあるなあなあ日記〜売りたいのに、時間がない〜
プレイヤーとして一人前の成果を残して
やがて店長、マネージャーになっていく。
そしていざ店長として現場にたつと
「おや、店長の様子がおかしいぞ…」
ポケモンのように進化してくれたら
飛び回って喜ぶんだけど、そうではない。
売れなくなるのだ。
最初は調子よくスタートするのだが
1ヶ月、2ヶ月と時間が経つにつれて
ほころびが出始める。
それはプレイヤーのときと同じ感覚で
時間を使っているから、という理由が
多いように思う。
おそろしく当たり前のことだが
店長には店長の業務があるのだ。
小売店でいうと
会社、上司への報告書作成、
行動計画の立案、在庫管理、仕入発注、
メーカーや商業施設とのやりとり、
社内会議、部下の指導、面談、
シフト作成、勤怠管理などなど…
プレイヤーのときに比べると
業務の量は増える傾向にあるだろう。
それにも関わらず同じ感覚で働いていると
何が起こるだろうか?
売れなくなる
パターンとしては…
①スーパー残業マンになる
→プレイヤーとして率先垂範しようと頑張ることで、店長業務を残業時間でこなす
→労務管理的にアウト、というか身体を壊してしまい、販売成果を落とすことになる
②即刻売れない店長になる
→店長業務を一生懸命やることで、プレイヤーとして売場に立つ時間が減り、販売成果を落とすことになる
どちらの場合も大変苦しい。
ぼくの場合はというと、
もともと目覚ましい成果をあげて店長になったわけではないが
最初はパターン①の罠にかかった。
みんなになめられないようにと
率先垂範して販売してやる、と意気込んで
店長業務はあとまわし。
身体を壊すことはなかったが
「これは続かないな」となったわけだ。
そこでまずやったことが業務の棚卸だ。
どんな業務があり、何分かかっていて、
それぞれの期限は?
本当に店長じゃないとダメな業務か?
いつやるのが効果的だろう?
そう、ついに頭を使い出したのだ。
そしてチームメンバーの得意を分析して
いろいろと権限を委譲していった。
例えば、部下の接客指導はぼくより
この人のほうがうまいな、と思ったら
ちょっと任せてみる。
最初から全面的に任せるのではなく
「小さくテストして、様子を見る」
求めているレベルでなければそれで終わり。
うまくいったら範囲を広げていく。
様々な業務でこれを繰り返した。
実は意外とこれだけですっきりした。
100%店長がやるべきだと思える業務は書き出した業務の20%ほどだった。
そしてこれで終わりではない。
プレイヤーのときの接客、仕事の進め方も
見直しにかかった。
プレイヤーのときの半分の時間で
同じ成果、それ以上の成果を出すためには?
これまた頭を使い出した。
そして辿り着いたのが
スキルを増やすよりも、磨くこと
ロロノア・ゾロのように3本の刀を操るための努力ではなく
得意とする1本の刀を磨く、研ぐということを
突き詰めてやるようにした。
もちろんスキルを増やしていくことは
大切なことなので後々取り組むわけだが
自分の得意とする技を磨くことを
怠ってしまうとすべてが中途半端になりかねない。
「神の左」と世界から恐れられた
元プロボクサーの山中慎介さんは
基本のワンツーを極限まで研ぎ澄ませることで
なんと12回も世界戦防衛を果たしている。
ベーシックを極める
ぼくはこれといった接客スタイルがなかったからこそ
ベーシック、基本を極めることを
今でも追求している。
イメージは…プレイヤーのときは
ノコギリを使ってギコギコと竹を切っていたが
日本刀でスパッと切れたらいいよね、ということ。
刀は磨き続けなければ錆びてしまう。
まだまだ修行を積み重ねて
「売りたいのに、時間がない」という店長を
一人でも減らしたい。
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