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本の棚 #188 『才能の正体』

あなたに才能はありますか?

そう聞かれたら、なんと答えるだろう。

ぼくは直感的に「ある」と答える。

それが何なのか、わかっていないけれど

それは必ずある、ないはずがない。

根拠のない自信だ、なんて言われても

そこから生まれてくるものがあるはずだ。

坪田さん、教えてください才能の正体を。

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人は、「結果」に合わせて、事実を「物語」にする

才能があるのか、ないのかを判断する基準は

多くの場合、その「結果」ではないか。

結果がよければ、過去に対しての

ポジティブな解釈が成り立つ。

逆に結果が悪ければ、その過程も

ネガティブな解釈になり

悲観的な物語が口から語られる。

「やればできる」ではなく「やれば伸びる」

才能というものは誰にでもある。

ただし、それは「正しい努力」次第で手に入るものらしい。

努力をしても叶わないこともある。

その点では「やればできる」、つまり

やり続ければ成し遂げられる、は嘘だ。

坪田さんの言う「やれば伸びる」には

そのくもりがない。

昨日より今日、今日より明日、というように

手順、流れを考えながら努力することで

どんどん成長していくのが人だ。

オリンピックで毎回のように「新記録」が

出るのも、成果につながるルートが

ときを重ねるごとに整備されて

余分な努力をしなくてもいい環境が

日々改善されているからかもしれない。

もちろんその人の努力もあるが

昔の人が努力していないとは考えづらい。

先人の努力の分析して、その余剰分を

削り取ることで競技レベルは

年々磨かれていくのだと考える。

果たして人は、氷上で何回転まで回ることができるのか。


伸び悩み、スランプに陥ったときは、「基礎の基礎に戻る」

スランプを経験したことはあるだろうか?

スポーツでよく聞くけれども

勉強でも、演劇でも、音楽の世界でも

きっとあるのだろうと思う。

そんなときにやるべきことは

「基礎に戻る」ではなく

「基礎の基礎に戻る」ことだ。

基礎の基礎といえば

スポーツの場合、そのスポーツのスキルではなく

「身体の使い方」だったりする。

姿勢、重心、呼吸…

それまで無意識にやっていたことに

実はスランプを打開するヒントがある。

数学の勉強ならば

「xの書き方」かもしれない。

バツで書く、cを背中合わせ、筆記体…

あらためて自分の癖を見直すことで

マイナスのチリツモ状態から抜けられる。

これはあくまでもスランプ脱出の手段の一つ

でも納得感のある手段だ。

そして基礎の基礎がブレない人こそ

自分の才能に花開かせる可能性が高い。


人の才能を伸ばすのが上手な人ほど、
主観的な意見を言わず、
ただ事実のみを根気強く言う。

ここで重要なことは

自分の価値観や感情をぶつけないということ。

ただシンプルに事実だけを聞いて、

相手に答えさせる。

すぐには改善されないかもしれない。

だから何回も何回も

「知っている」を

「できる、継続してできる」ところまで

付き合い切るのだ。

自分はかなり主観的な発言をしている、

そう強く認識しておくことで

コミュニケーションのズレを減らすことに

つながるのではないか。


コミュニケーションの前提
「自分が何を言ったかではなく、相手にそれがどう伝わったか、がすべて」

「こう伝えたんだけどな」

そう思っても前には進まない。

「どう伝わったかな」

こう考えて、その後の相手の行動をみて

結果検証をしていく。

そして相手の受け取り方ではなく

自分の伝え方を磨いていく。

あらためて才能について考えたとき

ぼくはこんな才能、能力を尖らせたい。

「人の才能を開花させる才能」

そう思った。


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