本の棚 #54 『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』
人生100年時代をからの個人M&A入門
三戸政和
えっ、買うの?!
というか買えちゃうの?300万で?
という心の声が外に飛び出そうとするのを
ぐっと堪えてレジに向かった。
『LIFE SHIFT』という書籍に書かれている
人生100年時代の到来。
そのなかでのぼくらサラリーマンの生き抜き方を
事業継承、個人M&Aという観点から考えてみる。
起業するのはスペシャルな人たちに任せておいて
ぼくらにはこんな道もあるんだよ、と
世のサラリーマンたちに勇気を与えてくれる
有り難みMAXの本である。
ここ最近父親のことを考えていると
事業継承が他人事ではないと感じるようになった。
この先、廃業予定の会社がたくさん出てくるけど
その中には続けてくれるなら続けてほしいと
経営者だけでなく、地域のみなさまからも愛される
そんな素敵な会社もあるだろう。
放っておくわけにはいかない、そうやって
立ち上がる人に、ぼくはなりたい。
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大廃業時代が迫ってきている
事業継承に悩みを抱えている中小企業は多い。
日本社会のほとんどは中小企業で
その380万社のうち7割が後継者問題に直面…
でも、事業を何らかの形で他者に引き継ぎたい
そう考えている社長は6割もいるそうだ。
そりゃあ自分が苦労して生んで育てた子(会社)に
永く生きてほしいと願うのは当たり前のことだ。
さらには黒字なのに廃業を余儀なくされる
そんな企業は廃業する企業のうちなんと50.5%もあるという。
なぜ健康経営なのに…と思うだろう。
そこには様々な問題が隠れている。
社長と呼ばれる人たちの平均年齢は59.3歳と
著書に書かれていることからも
次世代へのバトンタッチをどれだけスムーズに
進められるかを考えながら経営をすることが
求められる世の中になりそうだ。
50代で中小企業を個人買収し、70歳まで社長をしてから引退するというライフプラン
ぼくらの親世代のように
60歳で定年退職して、65歳くらいまでは
働かせてもらってそのあとは自由だー!
というスタイルでいこうとすると
100歳まで35年もある。
そこまで資金がもつだろうか?
切り詰めた生活を35年も続けるのだろうか。
これがもう結構他人事ではない話なのだ。
そんなことにならないためにも
三戸さんは「会社を買う」をおすすめしている。
今の会社でマネジメント、財務、システムなど
得られる知識と経験をがっつり身につけておくと
小さな会社を経営できる基礎的な能力が
身についているといってもいいらしい。
「ゼロイチ起業」を始めるのは不況が続くなかでは
リスクが高い。あまりにも、高い。
それよりも身につけた能力を発揮できる
同業界の中小企業を買うんだ!とのこと。
探し方、買い方の詳しい説明は省くが…
事業継承が国策としても進んでいくことと
個々の老後資金の不安を考えると
三戸さんの主張に賛同する人は
どんどん増えていくのではないか。
そしてそれが日本社会の活性化につながる
個々の幸福にもつがなる
これが次の日本の未来かもしれない。
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