本の棚 #205 『13歳からの地政学』
34歳になり、地政学を学ぶ。
いつになっても学んでいたいものだ。
ある夏休みに13歳の主人公とその妹が
カイゾクというあだ名のおじさんに出会う。
そこで地球儀を使いながら
世界の成り立ちについて語られる。
日々テレビでながれるニュースだけでは
なかなか理解できないことがあるが
その経緯や理由をわかりやすく
タイトル通り、13歳でもわかるように
解説してくれるお話。
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世の中には情報がたくさんある。
データ、という区切りでいうと
加速度的に増え続けている。
しかしそんな情報やデータについて
「使えなければ意味がない」という。
情報を集めすぎることで
むしろ、持っていないことに近づいていく。
不思議な感覚だけど、そうだと思う。
著書では各国のスパイを例に
情報の量ではなく、その使い方について
かんがえなければならないと語られている。
良い食材ばかりを集めても
それを調理する人の腕によって
それらの出来栄えは左右される。
なんのために情報を集めて
どのように使うのか。
「情報を集める」という仕事には
注意が必要だと感じた。
「遠交近攻」
遠くの国と仲良くして近くの国の脅威に対応する、
地政学の王道らしい。
アメリカ、中国、日本の関係がそうか。
日本としてはアメリカと仲良くすることで
中国に対応しやすくなる。
とはいえ中国とも過度な「敵対」は禁物だ。
仕事の中でも「敵はつくるな」と
教えてもらったことがある。
敵をつくると、仕事の流れは停滞するし
まわりの人にも悪影響を及ぼし
パフォーマンスは著しく下がる。
ニュースで国と国の関係性をみるときには
ちょっと気にしておこう。
カイゾクが主人公と妹にむけた
最後の質問だ。
ぼくらは日本が中心の世界地図をみて
それが普通の状態だと
頭にインプットされている。
ヨーロッパ中心の地図を見てみると
日本は東の端にあるのだが…
あなたはどこを中心とみているか。
それぞれの国が中心であり
それぞれが尊重されるべき、
いやいや
宇宙からながめてみなよ、中心などない。
いろいろな見方があるだろう。
大切なことは自分の意見をもつことだと
ぼくは思う。
100%の間違いなんてないし
100%の正解もない。
そのなかで自分はどう考えるのか。
ぼくはカイゾクからの最後の問いに、
ぬぬっ、となりました。
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