砂漠での心の交差点:映画『バグダッドカフェ』のじわじわくる幸せ感
2023年12月31日、
私は久しぶりに映画「バグダッドカフェ」に心を奪われました。
アマゾンプライムで視聴できたこの作品は、
権利の関係でサブスクには戻らないとの告知があり、
その最後の日に放映が終了されることとなりました。
見たのは何十年振りでしょうか。
この作品は1989年の作品。
これだけ年月が経過したのに、未だに感動をくれる映画の一つです。
"I am calling you"のメロディが砂漠に広がり、
カフェの景色が目の前に広がります。
カフェなのにコーヒーマシンが壊れている。。。。
こんなところからストーリーは始まります。
ドイツからの旅人、旦那とラスベガス行きの車の中で離別したジャスミンとバグダッドカフェの女主人ブレンダの友情物語。
束縛や人生に疲れた二人の女性が中心となり、
最初はイライラしていたブレンダも、ジャスミンと関わるうちに
少しずつ心を開き、怒りやイライラが溶けていく。
彼女たちの人生がカフェの周りの人々とともに変わっていく様子が、
心に深く響きます。
物語自体が素晴らしいものでしたが、
それ以上に魅了されたのは、
自然の光やまばゆいほどの色、キャストの衣装や身体の色の美しさでした。
砂漠の永遠に続く薄い茶色、そしてそこに映る真っ赤な夕日、
ジャスミンの白い肌と透けるような青い目、白いドレス
そしてブレンダの黒い髪、茶色い肌の色、
カフェに置かれた黄色いコーヒーポット。。。。
美しい映像とともに、I am calling youのメロディが。
音楽とともに、絵画のように映像が展開され、
そこに人間の感情の動きが演出されます。
怒りや涙がとけていき
春の光のようにだんだんと愛情や友情に変わっていく様子は、
まさに心に響くものがありました。
この映画は
乾燥した砂漠の中で生活する登場人物たちの
潤いに溢れた心の交差点を描いた感動の作品でした。
作品が作られてから34年も時間が経過しても
古臭さはまったくなく。
逆に2023年の終わりを飾るにふさわしい素晴らしい映画となりました。
配信では見られなくなりましたが、DVDなどは販売していますので
ご興味があればぜひ!