日本人の3分、フランス人の2分:時間概念の違いとそのマーケティング的考察
先日、ウルトラマンまんじゅうの記事をアップしたところ
スギオカさんがウルトラマンに反応を示してくださって、
そういえば、
日本人は3分が好きだな~
とあらためて気付くことができました。
日本人が持つ「3分」という時間概念。
ウルトラマンは3分しか戦えない、
キューピー3分クッキング、
カップラーメンも3分、、、、
どうして日本では3分がこんなにも愛されているのだろう。
一方で、私がなじみ深いフランスに目を向けると、
3分という時間はあまり会話にも出てこなく、
よく「deux minutes(2分)」という表現が使われることが多いです。
ありがちなのは、
後2分で着くよ、とか後2分待ってという使い方が多いのに
実際には5分から10分待たされることがほとんど。
この日本人の3分とフランス人の2分の概念の違いは何なのだろうと、
興味を持って調べてみたところ、
時間概念には2つのタイプがあることを知りました。
時間概念の違い:MタイムとPタイム
Mタイム(Monochronic Time)
Mタイム、つまり単一的時間は、
一つの物事を順序立てて行う人々の時間概念です。
Mタイムを持つ人々は時間に正確で、
時間を一つの直線的な流れとして捉えます。
例えば、日本人はMタイムの典型です。
ウルトラマンは3分で戦いを終えなくてはならないし、
キューピー3分クッキングも3分で料理が完成しなければなりません。
カップラーメンも3分で食べられるように設計されています。
Pタイム(Polychronic Time)
一方、Pタイム、つまり多元的時間は、
複数のことを同時に行う人々の時間概念です。
Pタイムを持つ人々は、時間に複数の軸が存在し、
人間関係を重視します。
そのため、約束に遅れることも多く、
時間に対して柔軟です。
フランス人はPタイムの典型です。
3分で戦えなくても全然大丈夫ですし、
3分でクッキングができなくても
「だって料理だよ、3分でできるわけないでしょ」という感覚です。
日本人の3分:効率と正確さの象徴
日本人の3分という時間感覚は、効率と正確さを象徴しています。
例えば、ウルトラマンの3分という制限時間は、
子供たちに時間の大切さと集中することの重要性を教える一つの方法です。キューピー3分クッキングは、
忙しい日常生活の中で
短時間で美味しい料理を作ることができるという
メッセージを伝えています。
また、カップラーメンの3分は、
消費者が短時間で満足できる食事を提供するという
マーケティング戦略の一環です。
フランス人の2分:時間を楽しむ余裕
一方で、フランス人の2分という感覚は、
時間を楽しむ余裕を示しています。
フランスでは、食事は単なる栄養摂取ではなく、
文化とコミュニケーションの一環です。
だからこそ、時間に対して柔軟であり、
多少の遅れや待ち時間を気にしません。
これは、Pタイムの時間概念が深く根付いているからです。
実際フランスでは、
昼食に会話をしながら、2時間かけることも普通です。
それだけ人間同士が会話をして、食事を楽しむことが優先であり
時間内にすませることではないのです。
マーケティングにおける時間概念の活用
マーケティングにおいて、
これらの時間概念の違いを理解し、
あなたのビジネスでも活用してみませんか?
例えば、日本市場においては、
効率と正確さを重視したプロモーションが効果的です。
3分で何かができる、短時間で結果が出るというメッセージは
非常に魅力的。
消費者は時間を有効に使いたいと思っているため、
これをうまく利用することが成功の鍵となります。
一方、フランス市場では、
ゆったりとした時間の使い方を提案することが効果的。
例えば、食事を楽しむための時間やリラックスするための時間を
強調するマーケティングが有効です。
時間に対する柔軟なアプローチは、
消費者にリラックスしたライフスタイルを提案し、
ブランドに対する好感を高めることができるでしょう。
MタイムとPタイムの融合:新しいマーケティングの可能性
現代の忙しいグローバル社会において、
MタイムとPタイムの両方を理解し、
融合させた新しいマーケティング戦略はかなり有効的。
例えば、デジタルコンテンツの提供においては、
短時間で情報を提供する一方で、
実際のアナログ的なアプローチで
深い関係性を築くためのコミュニケーションを重視することができます。
一方で時間に対する柔軟なアプローチを取り入れることで、
異なる文化や価値観を持つ消費者に対してもアピールすることが可能です。例えば、商品やサービスの利用方法において、
短時間で結果が出るオプションと、
ゆったりと時間をかけて楽しむオプション
両方を提供することが考えられます。
私が担当している化粧品でも同じように、
時間が効果的なブランドやサービスと、
ゆっくり時間をかけてケアすることに主体を置くブランドと
それぞれ分けてみたり、日ごろのケアの中でそれを混合させたり。
時間という概念が重要視される今だからこそ
マーケティングでうまく利用しない手はないのです。
結論:時間概念の違いを理解し、活用して新たな付加価値が生まれる
日本人の「3分」とフランス人の「2分」という時間概念の違いは、
文化や価値観の違いをよく反映しています。
Mタイムの効率と正確さ、
Pタイムの柔軟性と人間関係の重視、
どちらも重要な要素です。
これらをバランスよく取り入れることで、
何か新しいものができ、異なる市場や消費者に対しても
効果的にアピールすることが可能になる気がしてなりません。
MタイムとPタイムをうまく融合させ活用することで、
きっと、新しい視点やアイデアが見つかるはずです。
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