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「地元で働くって?」中2にキャリア講話

 「地元で働くって?」。10月8日、岡崎市立矢作北中学校で、矢田石材店の矢田敏起社長がこんなテーマで話をしました。2年生の生徒たちが対象。多感な思春期の子どもたちに向けて語りかけました。


協力8社が講話

 これは、岡崎市と市雇用対策協議会、岡崎商工会議所が主催する「中学校向けキャリア教育支援事業」の一環です。社会人の講話を希望する中学校に、同協議会入会企業の中から紹介するという取り組みで、今回は8社が参加しました。企業側が8つの教室で40分間の話を2回して、生徒たちが教室を移動して興味のある話を聴く、というスタイル。矢田石材店の教室には、それぞれ約30人の生徒がやってきました。

「お墓参りに行ったことのある人は?」

冗談で雰囲気ほぐれた?

 いつも通りのグレーの作業着で、教室に入った矢田社長は、「お墓参りに行ったことのある人?」などと問いかけました。手を上げたり、軽くやりとりしたりすると、少し気持ちがほぐれるものですが、教室内の雰囲気はちょっとカタメ。授業ですし、この人はいったいダレだ、という状況なので当たり前です。
 冒頭で「矢田石材店の目黒蓮と申します」と冗談をかますと、「えっ⁉」「ホントに?」などとざわつきました。「こういう感じで続きますので、みなさん、しっかりついてきてください」と始めて、伝えた内容は、矢田社長の半生でした。

苦労受け入れ、がんばれば…

 元自衛官だったこと、退官して実家の石材店を継ぐために修業したこと、満を持して実家に帰ったら倒産寸前だったこと、多額の借金を背負ったこと、葬儀会社を通じて得た「無料お墓そうじ」の仕事のこと、墓石展示場の代わりに「お墓実験室」をつくって「お墓マン」をしながらメディアにアプローチしたこと、石工の作業をしながらウェブで発信をしたこと、「お墓=情報」と定義して本を自費出版、自分で組み立てたログハウスの事務所、働きすぎで限界を感じて仲間づくり、出版社から本を出したこと、CBCラジオの番組スタート、人不足でも運営できる無人展示場、お墓の売れない時代となって始めた新事業etc

「どちらの石が高級でしょう?」

 締めくくりは「苦労を受け入れて、がんばれば、なんとかなる」。会社の総花的な説明をするよりも、ヒューマンストーリーの方が興味を持ちやすくて面白い、という狙いでまとめられた話でした。

考え方のヒントも

 時系列で語られた内容でしたが、「石材は、ラーメンの味とは違って、素人に良し悪しが分からないので、『情報』がビジネスになる」「本の出版がラジオ出演の布石になった」「仮説を立てて、足らない部分を補う」「持続不可能な課題を解決すれば、持続可能になる」など、その時々の判断理由などには、考え方のヒントもまぶされていました。

矢作北中の正門から

地場産業・伝統産業として

 事業「地元で働くって?」は、初めて実施された2023年度は2校で開催。今年度は増えて、11月までに矢作北中を含む5校での開催です。矢作北中で講話をした8社は、自動車業界から開発・設計をする三菱自動車エンジニアリング株式会社、部品等を製造するマルヤス工業株式会社株式会社丹羽鉄工所と、建設のサンモク工業株式会社、飲食の株式会社マルサ、矢作南保育園の保育士さん、岡崎市民病院の看護師さんと、矢田石材店でした。岡崎市の担当者によると、「なるべく幅広い業種の人たちから話を聞きたい」という要望が学校からあり、岡崎の地場産業・伝統産業のひとつとして矢田石材店が選ばれたそうです。

最後に玄関で記念撮影

「矢田石材店なう」では、近況や情報などを随時お伝えしていきます。

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