前回に続き、サイトの記事からリンクを辿って、コホートベースラーニングの理解を深めたいと思います。今回読むサイトは次の「コホートベース学習の統計」です。今回もDeeplを活用しながら読んでいきます。
目次
コホート型学習とは何か?
1つ目は開始と終了です。コホートベース学習ではプロジェクトのように有期で開始と終了を受講者同士が共有することが重要ということのようです。またコホートを形成するためのユニット(比較的少数:体感的にはMax30-50人くらい)を作ることが重要とということのようです。
2つ目は、実践的であるということと、それぞれの成果にフィードバックがあるということです。これを元にコミュニティを形成していくという感じなのかと思います。実践的な内容は大事ですがそこから得られるメタ認知も大事なのかと思います。
3つ目は、双方向のリアルタイム性です。ライブ講義とは異なり、受講者同士のコミュニケーションなど、受講者の積極的な参加が重要というとのようです。
4つ目はより高価。これはMOOCsの正反対で、受講者はかなりの金額を払って学習に参加するというのがコホートベース学習の特徴なようです。それにより、全体の一体感や参加意識を高めるような作用があるのかもしれません。
5つ目は静的でなく、流動的。教材としてオンデマンドの動画も用意することもありますが、主体はやはりライブのコミュニケーション(ZoomやSlack)ということになるようです。
最後の6つ目は、講師の役割です。講師は何かを教えるというより、全体を俯瞰して、より良い方向に導く、ファシリテーターのイメージのようです。専門的なことについては講師にしか見えない景色もあるのですが、それを教えるというより、その知識をメタに使ってファシリテートするというイメージかと思います。
コホートベース学習の統計
これはコホートベース学習でよく言われている修了率の話です。MOOCsなどの一人で学ぶオンライン学習の修了率3%に比べて、コホートベース学習の修了率は90%以上ということのようです。
BBT大学(ビジネス・ブレークスルー大学)で実施したデジタルファーストキャンプでは、1-4回3ヶ月ほどのコースを実施しましたが、修了率は平均で96-98%でした。
この修了率の高さは、オンラインで講座を提供する人には驚異的で参考になるものだと思います。
更に、学習定着率についても述べられています。受動的に学ぶ場合は72%を忘れてしまううが、コホートベース学習では逆に69%の確率で覚えているということだそうです。
これらを実現しているのは、コホートによるコミュニティの形成が鍵なようです。その結果、学生の満足度が高まり、学習意欲が向上し、質の高い学習効果が得られるということのようです。
自習コースの問題点を示す統計データ
MOOCの修了率が3%というのは、少ないと見るか多いともみるか。自習形式ではオンデマンドでもどのような形式をとってもこのくらいの修了率になるのだと思います(いわゆる3日坊主というやつです)。高くても30%くらいで、コホートを形成することがいかに重要かわかります。
話はそれますが、大学の授業やゼミなどは全体としてコホートになっていて、4年間での卒業を目指すということですから、ある意味古くからの小ホードベース学習であったのかもしれません。
コホート型コースの修了率統計
内容的には修了率の話なので、前のセクションと同じです。
コホート型学習の教育的価値を裏付ける統計データ
アクティブ・ラーニングでは次のようなラーニングピラミッドがよく紹介されます。下の方が学習定着率が高いということになります。コホートベース学習では主に教材としての講義動画→ディスカッション→プレゼンなどのラーニングピラミッドの下の方の学習定着率が高い形式を組み合わせて行うので、高い学習効果を得ることができるのだと思います。またその過程でコミュニティーが形成され良い循環を生むのだと考えられます。
単純なオンデマンド配信だけでなく、コホートベース学習を意識し、テックツールを使うことでより大規模により大きな学習効果を得ることができるようなるものと思います。
コース作成者にとってのコホート型コースの利点
コホートベース学習は受講者間のコミュニティ形成が図られるなど、自習形式に比べると学習者間の結びつきが強くなります。これは密結合と言うのとは違くて、疎結合なんだけれども、結合状態を維持続けているというイメージかと思います。
こういった関係もあり、自習形式に比べるとコホートベース学習の講座では比較的高額な受講料が設定されるようです。
自習型のコース作成者は月8ドルと書かれていますので、なかなか稼ぐことはできないのですが、9ヶ月で150万ドル(ほんと?約2億円、約月2千万円)、5年で500万ドル(年100万ドル、1億4千万円)ということのようですので、元々単価が高いところでテックやオンラインの力を使って規模を増やすことで大きな収益を上げることができるということのようです。
コーホート・ベースド・ラーニングで世界を変える企業
以下は、コホートベース学習を実施している企業の紹介です。日本でもいくつかのBBT大学のデジタルファーストキャンプなどいくつかの企業や団体がコホートベース学習に注目し実施し始めています。
Forte Labs
Reforge
Maven
Esme Learning Solutions
Section
AltMBA
Circle
まとめ
大事なことは単純にテクノロジーを学習に取り入れるのではななく、コホートベース学習を認知し、コミュニティの形成を行うためのアクティブラーニング(反転授業、ディスカッション、プレゼン、教え合い)を中心とした、コース設計を行うことだと思います。
以上です。