【読書感想】漂流ꕀ 𖠳 ᐝ🏝
この本を読んだのはそれこそ……10年も前になるだろうか。細かい部分は忘れてしまったが、それでも胸の中に残り続けたモノ……
絶望の中にも
確かな希望は
きっとある
――と
こんにちは、ひまちこ(仮)です!
皆さんも様々なストーリーを知ってからの推察の通り、人間はいくつになっても『カタルシス』が大好きなんだ。私も和室の掛軸に筆ペンでそう書いて飾ってるくらいさ!
さて、この画像のゲームを知ってるかな?
見ての通り瓦礫の山だ。これは長いこと続いた宇宙人との戦争のせいで文明は悉く破壊され、人工も2割まで減少させられ、それでも復興と未来の為戦い続ける地球防衛軍【通称EDF】のお話だ。
これだけでも頭を抱えたくなるけど、痛み分けにより撤退した宇宙人の残党との戦いを繰り広げているとある日――
『おい! 空を見ろ!』
『ばかな、ばかな、ばかな。(ママ)』
突如未知の飛行物体が飛来。不気味に静止を続ける巨大なリングを前にEDFは戦慄する。
『今日を生きるだけで精いっぱいなんだ。 もうやめてくれ。』
『やつらだ。 戻ってきた。 また戦争が始まる。』
このリングの役割は宇宙人の『時間戦術』にあり、過去に戦争の情報を送ったり、兵力そのものを送ることにより、更に確実に人類を抹殺しようってハラだ。
が、主人公ともう一人の男だけが『記憶をもったまま』過去に遡り、苛烈さを増した宇宙人との戦いに勝ち続ける。しかし――
『ばかな、ばかな、ばかな。』
戦況の悪化を悟った宇宙人は再びリングを投入、更に兵力を増強し、過去への戦いに備える。繰り返される絶望……それが本作のテーマだ。
主人公たちの奮闘により、やがてEDF本部は時間戦術の存在を認知。
時間の塵となった数多の戦友の為、そして地球の為……あらん限りの兵力を用意し、リング破壊作戦を敢行する。
🔔『ちょっとコレなんの記事⁉️』
『ばかな、ばかな、ばかな。』
作者『吉村昭(唐突)』は、史実作家という立場で、名の通り事実を元に色をつける……大河ドラマや時代劇のような作風が特徴だ。
作者がBARで酒を飲んでいたら探偵(警察?)と間違われたエピソードが好きだ。その風貌は似たモノではなかろうか。
『探り、答えを出す』
さて、ここは日本から遠く離れた『鳥島』だ。主人公らの乗る船はここに流れ着き、破船する。
自生植物も殆どなく、火山岩と荒れ狂う海……そしてアホウドリの大群。この島にあるのは、それだけだった。
生き延び、いつか来たる救援に希望を託すが、栄養失調、自殺などにより仲間たちは次々と減ってゆき、やがて主人公独りとなる。
雨水を溜めたり、海藻や海産物を獲ったり、アホウドリの干し肉を作ったりで死を免れる……が、何年経っても船は通らなかった。お経を唱えたりしながら精神を落ち着かせ、ただ生きた。
ある日、主人公らと同じく破船しつつ漂着した藩の者らが現れる。しかし状況は変わらない。この絶海の孤島の前では、いかなる人間が集まろうとも。
ここまで読んで私は思った。
いや、これ無理だろ(๑•ૅㅁ•๑)
無理だ。人は希望もナシに生きられない。打ちつける波、叶わぬ帰郷――死。自由に飛び去るアホウドリを見て、何を思う?
だが、一行は気がつき始める。それには長い時間を要したが、霞のような希望が、死を運ぶ波が、その道を示した。
『漂流』……決して多くはないが、一定の潮の流れにより船が来る。バラバラになった哀れな船の残骸を見て、一行が何を思ったか。
その頼りない兆しに
何を見たか
――作戦を説明する。記憶が正しければ、藩の者の中に造船技術に長けた者がおり……そう。
作ったんだ
希望を託す
新たなる船を
これにも長い長い時間を要した。地道に木片を集め、組み立て、日々を過ごした。
やがて完成し、出航。
かつて散っていった同胞たちの魂を連れ、海を渡り……その足は、確かに故郷の地を踏んだ。
この間――――12年。
🔔『うぉおおお❗️ クッソ泣ける……❗️』
(๑•ૅ▽•๑)『EDF! EDF!(無関係)』
だろ? 私のイチバン好きな小説さ。
物語はいいもんだ。それが事実なら、尚更。
生への執念、熱い鼓動、胸にある『希望』
私たちは生きている。
そんな当たり前の喜びを、この本は思い出させてくれる。
それじゃ! ご覧いただきありがとうございました❗️