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詩日記 7

 二○二二年五月四日

 世界の美しさを見たり、自分の弱さを見たりした日。
 元素記号でできているぼくたち (これは詩的表現というやつで、ほんらいは「ぼくたちのからだ」と書くべきだし、それでも正しくはない。ぼく本体は異次元存在で、からだをつくっているのは記号じゃない)。
 口からこぼれ出る「ため有機化合物いき」、音階の付着した呼吸、それと詩のかけらの数々。
 
 ゆぶねにもぐる。ぶくぶくぶく。
 愛するって難しい。
 自分のことも、他人のことも。
 愛ってなんだとおもう? どうすればいいんだとおもう? 何をいえばよかったとおもう? 何をいわない方がよかったとおもう?
 考え中、短い時間、息を止める。
 
 ゆぶねにもぐった。ぶくぶくぶく。
 ほんのすこしだけ、お湯の塩分濃度があがった。水自身も、気づかないほどすこし。

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