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詩日記 28

 弐○廿弐年 伍月 廿V日
 酒を酌み交わし
 酔った二人の老人

 片方の老人が 言う
 思い出したかのように

 気づけば こんな年になってしまったなあ

 もう一人が受け答える

 ああ、だが

 老人たちはそれ以上、何も言わなかった

 ぼくは 老人たちの目の中に
 無邪気な少年を 熱く燃える青年を
 責任を背負った中年を
 すべての時代の彼らを 確かに見た

 気づけば こんな年になってしまったなあ
 ああ、だが

 時は人から何もかもを奪う
 若さも 体力も 美しさも 生命ですらも
 だがそんな時にさえ 奪えないものがあるのだ
 魂の中にある 変わり続ける 変わらないもの

 人は美しくなれる 成長できる
 生きている限りは
 いや 死んだそのあとでさえも
 変わってゆけるのだ

 変わって

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