詩日記34
20220607
深く潜った先は 広い広い宇宙だった
そこにはありとあらゆるものがあって 悔しさや 恥ずかしさや 未熟さ 傲慢さ 醜さたちも こちらを見つめていた
スポットライトのように地上に降りている 星空の光を避けて
わざと暗い道を歩く
そういう気分なのだ
己の未熟さが 恥ずかしく 誰にも顔を見られたくないような
暗がりの中 うつむいて歩くぼくを 子供たちが追い越してゆく
おおい おーい まってくれえ
暗い海岸沿いを 影法師たちが踊る
顔も何もない かげぼうし
明るく振舞ってみても 悟ったふりをしてみても
仄暗い 陰気な自分はいるのだ
暗がりの底で その子は泣いているのだ
ちょっとしたことでバランスを崩し 暗い穴の底に落ちて
誰を恨んでみたところで
自業自得 自業自得
ああ ああ あああ
身体にまとわりつく 過去が重たい
どろどろ ねばねば くるしいよう
暗い草原の中で 影法師たちが踊る
びゅう びゅう と流れ星が流れていく
まっくら 影法師の踊る跫と 流れ星の流れる音だけ
ぼくは こういう暗い男でもあるのです
ぼくは 立派でもなんでもありません
ぼくは わかっていないのかもしれません
心優しい獣が もがき苦しむぼくの 顔に
大きな顔を 近づける
生臭くて あたたかな 吐息と
獣のよだれが ぼくの頬を濡らす
重たい 重たい 心の汚れ
自分の汚れは 自分で落とす
しかない
死んで終わるような 生半なものでもない
死んでも続くのだ
ならば 生きて 生きて 生きて
生きているうちに できる限りを
見透かされている
自分の恥ずかしさを 自分の弱さを 自分の未熟さを
自分の隠している 汚い部分を
みなさん 見透かして 見透かした上で
微笑んでお付き合いくださっている
身悶えするほどの恥辱と 己の愚かさ
あがき さけび 苦しみながら 謝る
申し訳ありません 申し訳ありません
ごめんなさい すみませんでした
ありがとう ありがとう ありがとう
言靈の力に縋って それを頼りに 暗い道を通る
影法師たちが踊る ステップを踏む
びゅうびゅう 流れ星
目に見えないものたちは 目に見えない
言靈を頼りに進む 大丈夫 大丈夫 大丈夫
私は大丈夫
超えてゆける 必ず 超えてゆける
変わる 変わる 変わる
暗がりの中
光はいつもよりも 輝いている