詩日記 12
二○二二年五月九日
おはようございます、と大きな声で挨拶をすると、ぱっと場が浄化されるようだ。
世界を明るく照らす、快活なあいさつ。
薄暗い闇や、汚くて臭いものは、もう充分すぎるほど見たから、これからは明るくて楽しくて綺麗なものを見たいのだ。
自分は自分でありながら、変化し続ける。
もっとよくなれるという想いと、これが自分なのだと認める想い、その一見矛盾した想い同士を持つその瞬間、心の器は満たされる。
おはようございます、と大きな声で挨拶をすると、笑顔が返ってきた。
さあ、今日もがんばりましょう。
笑顔できびきびと仕事が回転しはじめる。世界に広がる喜びに向かって。
喜びで変えるのだ。光で照らすのだ。
今まで暗く、悲しかった分、これからは。