詩日記 17
二○二二年五月十四日
大好きな人の大事な日が晴れだと、自分のことみたいに嬉しいと知った日。
ヘアクリップ。女性みたいと君が言い、こんないいもの女性だけに独り占めさせるものか、と笑う。
植物性の食事、ケンドリックラマーの新譜は聞いた? の声。薄紅色のゴンドラボートが、君の顔を美しい水の都ヴェネツィアのように見せている。
帰ってきて、また曲を書く。野草を煮出したお茶をいれたマグカップ、誰かからもらったのは確かなんだけど。
こうして生活の切れ端をつなぐ。ありふれたことこそが本当に愛おしいものなのだと、そう言いたいがために。または、言わずに秘密にしておきたいがために。たがために? 海の亀がために。池のたがめがために。雨降って地かためる前に、卍固めをきめにくるレスラーのようにさっとおゆからあげる、なるべくはやめに。少しかためがすきがために。ん、ラーメンの話。わはは。