Yasuno Miyauchi

作曲家。音楽パフォーマンスグループ「つむぎね」主宰。主に誰もが持つ「声」という唯一無二の楽器を中心に、呼吸のリズムや他者とのコミュニケーションなど有機的な要素を活かした、楽譜のない音楽作りや、ワークショップに取り組む。つむぎね公式ウェブサイトwww.tsumugine.com/

Yasuno Miyauchi

作曲家。音楽パフォーマンスグループ「つむぎね」主宰。主に誰もが持つ「声」という唯一無二の楽器を中心に、呼吸のリズムや他者とのコミュニケーションなど有機的な要素を活かした、楽譜のない音楽作りや、ワークショップに取り組む。つむぎね公式ウェブサイトwww.tsumugine.com/

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バリ島音楽と芸能の旅2024 -8.ニュピ、旅のまとめ

3月に行ったバリ島の旅、いよいよ最終回です。 今回は、前回からの続き、オゴオゴ明けのニュピの1日について、また、旅全体の感想などをまとめていきたいと思います。 1.ニュピ 大騒ぎのオゴオゴの一夜が明け、ついにニュピの朝を迎えました。いつもは朝からバイクの音が絶えないウブドの町も、この日は本当に静か。朝から基本的には鳥たちの鳴き声しか聞こえません。 町の様子を見たいと、屋上に登って通りを見てみましたが、もちろん道に人気はありません。時々見回りのスクーターが通るのですが、こ

    • バリ島音楽と芸能の旅2024-7.バリのお祭りや儀礼(クニンガン、オゴオゴ )

      3月に10日間ほど行ったバリ島の旅、いよいよ最終章です。今回はこの旅のメインともいえる、そして何よりバリ島といえば、というお祭りや儀礼についてです。 今回この時期にバリに行った大きな理由としては、ニュピを体験したい!というのがありました。ニュピは、バリにおけるお正月。バリ・ヒンドゥー「サカ暦」の新年にあたり、バリ・ヒンドゥー教徒にとって最も需要な日だそうです。 この日は1日、外出は禁止、火を使うこと、仕事をすること、殺生することも禁じられるため、とにかく何もせず静かに家で過

      • バリ島音楽と芸能の旅2024 -6.尾形直子のバリ舞踊レッスン記

        旅で出会ったバリ舞踊第2段は、今回の旅の同行者、尾形直子さんのバリ舞踊初レッスンです。 直子さんは、私が主宰する音楽パフォーマンスグループ「つむぎね」のメンバーであり、ダンサーです。ダンサーでありながら、音楽的能力もとても高く、踊りだけでなく声や鍵盤ハーモニカでのパフォーマンスもシームレスにこなしてしまう強者です!(結果私にあれもこれもと無茶振りされています^^;) 前回の投稿にも書きましたが、今回は彼女がぜひバリ舞踊を習いたいということで、私のつながりから踊りの先生を紹介

        • バリ島音楽と芸能の旅2024 -5.バリ舞踊に触れる(Sekarさん一家と)

          5回目は滞在中に触れたバリ舞踊についてです。 バリ舞踊をご存知ですか?もちろん私も踊りについては詳しくないので、正しい定義を述べることはできないのですが、私が見た主観的な印象で言いますと、まず特徴的なのが左右に肘を張って胸を開いたポーズ。そして指先を開いて細かく揺らします。 私はいつもカエルのようだなと感じます。バリの芸能って、音楽にしろ踊りにしろ、かなりカエルの影響が大きいのではないか、といつも思うのです。常にカエルの大合唱に囲まれている環境の影響は間違いなく大きいと思い

          バリ島 音楽と芸能の旅2024 -4.ガムラン楽器を購入する

          少し間があいてしまいましたが、久しぶりにバリ紀行の続きを書いてみます。今回は、この旅行の2つ目の大きな目的であった、ガムラン楽器の購入に奮闘した話について書いていきます。 私は現在、ジャワガムラン、バリガムランの両方を東京でそれぞれ習っています。ジャワのほうはここ数年、バリはまだ始めて半年程度です。中部ジャワのガムランは宮廷を中心に発展し、王宮内で演奏されてきたため、とても優美で陶酔するような音楽です。バルンガンと呼ばれる骨格旋律のループをもとに、テンポが伸び縮みしたり、緻

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          バリ島 音楽と芸能の旅2024 -3.ガムランを学ぶ(リンディック編)

          1.リンディックとの出会い バリでの楽器修行第2段は、竹の楽器リンディックです。別名ティンクリックとも呼ばれます。いわゆる金属製のガムラン合奏には使われず、基本2台だけ、時にはスリンという笛とともに小編成で演奏する楽器です。 竹特有のとても柔らかい音色で、それでいて音はよく通り、バリの風に乗ってふわっと聞こえてくるととても心地よいのです。ガムランは儀礼の奉納として演奏されますが、このリンディックは日常的な楽器で、生活の中のサウンドスケープとして楽しむ楽器と言えるかもしれませ

          バリ島 音楽と芸能の旅2024 -3.ガムランを学ぶ(リンディック編)

          バリ島 音楽と芸能の旅2024 -2.ガムランを学ぶ(音楽理論編)

          1.Dewa Raiさんからガムランを習う 今回のバリ滞在にはいくつか目的がありました。その中の大きな一つは、ガムランを現地の方から少し習うということでした。というのも、前回2018年の国際交流基金アジアフェローで1ヶ月半バリに滞在した際は、リサーチなど見聞きすることがメインでした。後半に紹介するリンデックという竹の楽器は習うことができたのですが、いわゆるゴン・クビャールと呼ばれるバリガムランの中心的な楽器を学ぶ機会はほとんどありませんでした。 帰国後、日本でまずはジャワガ

          バリ島 音楽と芸能の旅2024 -2.ガムランを学ぶ(音楽理論編)

          バリ島 音楽と芸能の旅2024

          究極のコミュニティ音楽を求めてバリ島へ 私は作曲家として、音楽を作る活動をしています。しかし一般的にイメージされる、楽譜や楽器を使って作曲する、というのとは少し違う表現かもしれません。私の表現にはいわゆる音符を使った”楽譜”が存在しません。事前に音の高さやリズムなど、五線譜で設計図を作る、というやり方をしないのです。その代わりにシンプルなルールがあり、それはゲームのルールのように簡単なもので、そのルールに則って音を出していくと、自然と流れが浮かび上がって来る、という方法です

          バリ島 音楽と芸能の旅2024