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材料はありふれているが「筋立て」は創造性を発揮できる
以前、私はこのブログで、ビジネスで創造性のあることは限られているという話をした。
なぜならビジネスとは、誰かに使われる商品やサービスを作る必要があり、また、提供すrには人材を集めなくてはならないが、そのどちらにも一定の共感をしてもらなわければいけないからだ。共感されるということは、あまりにぶっとんでいてはいけない。当たり前すぎても、ぶっとぎすぎてもいけない、ちょうどいい適度な創造性を発揮しなければいけない。
でも、ビジネスでも一定の創造性は可能だな、と最近思ってきた。
以下の社会学者風の古市さんの著書で、古市さんがスティーブ・ジョブズの凄さを分析している。
一言でいうと、スティーブ・ジョブズは「筋立て」がうまいのだ。
**以下、引用**
だけど、ちょっと冷静に考えてみて欲しい。ジョブズがいなかったら、僕たちの生活
はどこまで変わっていたのだろうか。確かにiPhoneはなかったかも知れない。し
かし、ちょっと使い勝手の悪くて、ださいスマートフォンなら、普及はせずとも登場く
らいはしていたのではないか。
アツプルのiTunesがなければ、デジタル音楽配信も今ほど普及はしていなかっ
たかも知れない。だけど逆に日本企業は今よりも「着うた」で利益を上げていた可能性
もある。着うたが進化して、日本版iTunesが出来ていたかも知れない。
むしろジョブズがいない世界には、今よりも素晴らしい技術が浴れていた可能性だっ
てある。iPhoneの爆発的な普及のため、革新的で誰も想像しなかったような携帯
電話の登場が阻まれてしまつたのかも知れないのだ。
彼が本当にすごいのは、大したことのない技術を「革命」のように見せる手腕だ。大
容量音楽プレーヤーも、タツチパネルの携帯電話も、オシャレで直感的なパソコンも、
他のメーカーだって出していた。
それでも、何となくアツプル製品のほうが優れて見えてしまう。
実際、「タッチパネルの操作性」とか「シンプルなデザイン」とかアツプルが他メー
カーと比べて優れている点は多いと思う。だけど、それが本当に僕たちの世界をまるで
変える「革命」的な技術だったかと言えば、微妙だ。
**
画面やフレーム、内部の構造など一定のハイレベルな素材であるが、それが凄いわけではなく、それらを一つのアイフォンというストーリーに筋立てしたことが凄いのだ。
たしかに、ジョブズがいなくても、似たようなものは出てきただろうが、ジョブズが宗教的な物語を表現したからこそ、多くの人に支持されその拡散が加速したといえる。
これは明らかにジョブズでないとできなかった創造だと思える。
世の中にある素材をどう筋立て、ストーリーに仕上げるか、ここに創造性が宿る。