【語学の極意】ランガージュを信じる #英語 #中国語
語学で成功したければ、ランガージュを信じればいい。
ランガージュとは何か?
これは、ソシュールの概念である。
ソシュールは言語学者といわれるが、その実態は人間の本性に迫った哲学者である。
以下、コトバンクよりランガージュの定義。
ランガージュ(言語活動)とは、言語をはじめとする記号をつくり出し使用することを可能にするさまざまな能力およびそれによって実現される活動を指す。 この能力、活動には、発声、調音など言語の運用に直接関係するもののほか、抽象やカテゴリー化といった論理的なものも含まれる。
ソシュールといえば、ラングやパロール、シニフィアン・シニフィエなどの概念が有名だが、私はランガージュが一番重要概念であると思う。(なんと私はこの概念を会社の社名にまでしている)
ランガージュとは、言語が使えるようになる能力全般のことだ。その中でも「記号を作る能力」が核にあるため、ソシュール研究者の丸山圭三郎さんは、これを「シンボル化能力」と意訳している。
平たい言葉でいえば、われわれは何かしらの意図に基づき、あるパターンを認識すると、それを他との差異から際立たせ、シンボルとして把握できる。そして、世界をそのシンボルを通して認識する。或いは、そのシンボルがあるから、世界がある、とも言える。
話は変わるが、コロナ禍で、みんながマスクをしていることは子供の発育によくない影響があると言われている。
なぜなら、子供が他人の口の動きを見れないと、言葉を覚えることに支障が出る可能性があるからだ。
赤ちゃんが言葉を覚えるときは、聴覚だけでなく、視覚や嗅覚、などあらゆる感覚を統合した上で、状況の中で、文脈の中で、パターン(シンボル)を獲得していくと思われる。
重要なことは、状況があることだ。
「こういう状況のとき、このように言う」というのが、蓄積されて言葉を覚えていくのだろう。
誰でも自分で実証している通り、母語を身につける過程で、文法や発音の理論を学んでから、それを練習するという方法などとったことがない。
クラッシェンも唱えている通り、インプット理解(状況の中での意味理解)があれば、言語能力は次第についていく。
大人の場合は、母語が身についてしまっているので、第二言語の大量インプットだけではなかなか時間がかかるだろうが、無理ではないと思う。
ただ、赤ちゃんが言語を覚えるより、時間がはるかにかかるだろうし、こうした背景を知らない大人は、そんな長い時間を(最初は意味もわからない)第二言語の学習を続けることはできないだろう。
なので、結論として2つの道がある。
1つは、ランガージュを信じて、状況の中で意味理解を繰り返すこと。この「状況の中で」が重要だ。単語リストのような学習がダメな理由はここにある。いくら例文があっても、イメージがわきずらい。本当はドラマなど視覚聴覚をフルにつかったものがいいが、それは色々不便なところがあるので、まずは文章ベースで学んでいくのがいい。
2つ目は、このランガージュの基本原理を深く理解しているなら、本当にゼロからの状態で始めから根気強くドラマなどを見続けるのもよいと思う。ただ、音に意識を向け、発話の文ごとに注意を向けるなど、ランガージュを作動させる意識は必要になる。このやり方を100%やった成功例は聞いたことはないが、理論的にはできそうだし、このやり方を提唱している方もいる。
いずれにせよ、理論先行で行わず、
意味理解を繰り返していれば、ランガージュが作動してくれるので、安心してほしい。