なぜイントラプレナーにはセルフ・アウェアネスが大切なのか?
コーポレート・アントレプレナーズというカナダのイノベーション・シンクタンクの代表Susanが、イントラプレナーにとってのセルフアウェアネス(自分の感情や反応、行動に自覚的である能力)の重要性に関してポストを書いていたのでシェア。
https://corporate-entrepreneurs.com/2018/05/15/how-intrapreneurs-unlock-leadership-potential/
自分自身がいくつもの事業を仕掛けてきただけでなく、3M, HPなどでシニアパートナーとして多くのイントレプレナーを育ててきた彼女が、なぜセルフアウェアネスがイントレプラナー(のリーダーシップ)の成否の分かつかといっているかというと、
・イントレプナーは企業組織の中で周囲とは異なるモチベーションやマインドセットを持ち合わせているので、周囲から謎の人と思われ理解されないことも多い。同時に、イントレプナー自身もその違いや自分のユニークネスについて理解していないことも多い
・Self-Awarenessは自分の感情や反応、行動パターンの理解を深め、それは周囲(との違い)を理解することにもつながり、より効率的で適切なコミュニケーションや巻き込み戦略をとることができる
ということだ。
記事の中でSusanは「”みんなはチェッカーズをプレイしているのに、私はチェスをプレイしているように感じた」というコメントが引用しているが、まさにイントラプレナーは異なるルールで行われる2つのゲームを両利きでプレイしなければならない局面も多い。
逆に言えば、そのルールやOSの違いを理解しないままプレイしていると余計なコストやハレーションが普通に生じるので本来やるべきことに集中できないといことだ。
以前の記事でも書いたけれど、国内外のイントレプラナーコミュニティで様々な実践知の交換をして触れながら、
「コンテキスト(文脈)デザイン」は組織を巻き込み変革を仕掛けていくイントラプレナーにとって間違いなく最も大事なスキルセットの一つだと思っている。
つまり、自分のビジョンや事業プロジェクトを組織が推進していく文脈(理由)や空気を上手く創っていく力。
そして、その営みはSelf-Awarenessから始まるということ。
最後に、Self-Awanessを高めることの7つの効用をまとめてくれているので記しておきたい。
・他者や組織環境から切り離して、全人格的な一個人として在ることを助けてくれる
・自分の行動パターンや、リーダーとしてその行動が他者にどのように影響するのかを理解することを助けてくれる
・思いや感情といった自分の内的世界を観察することを助けてくれ、思いや感情が自分をどこに連れていくのかを観ることができるようになる
・自分の信念や価値観、そしてそれらが自分にどのように影響しているのかに対する洞察を与えてくれる
・内省やマインドフルネスのキャパシティーを高め、自分自身や自分の周りで起こっていることにより意識的になることができる
・何が自分をモチベートし、意思決定が自分の中でどのように起こっているのかを理解することを助けてくれる
・オープンさ、誠実さ、コミットメント、審美眼の大切さを教えてくれる
「Self-Awarenessは感情や意識、反応や行動といったものに日々フォーカスしながら生きていくことをサポートしてくれる」
これこそ、まさに現状に違和感を抱き、問いかけ、行動に移していくIntrapreneurialな生き方の根っこなのではないだろうか。