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はかなさの中にある美しさ
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昨年末に図書館で予約した小説がようやく到着した。
所蔵されている冊数が少ないと時間がかかる。内容は
世界から言葉が消えていくという物語。残像に口紅を
のタイトルに、はかなさの中にある美しさを感じる。
ひとつひとつの言葉を味わい、小説の世界を楽しもう。
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消失する物語といえば小川洋子さんの密やかな結晶を
思い出す。これは世界から記憶が少しずつ消えていく
物語。何かがある状態から何か消えてなくなっていく。
失われたものへの郷愁と残されたものへのまなざし。
表紙には喪失感をイメージさせる木彫りの彫刻。工芸
家の望月通陽氏の作品で、表紙も氏のデザインである。
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![](https://assets.st-note.com/img/1656800012128-EOPQgrUY5v.jpg?width=1200)
甲子 純米吟醸 別誂 千葉酒々井 飯沼本家
福岡の工藝風向で、望月通陽展が6月14日から25日
まで開かれていた。以前より店内に設置の望月氏の
暖簾等の作品が気になっていた。どれも素朴で美しい。
記念に望月氏がラベルをデザインした日本酒を購入
した。ラベルには「さあ、酒を手に入れよう。強い酒を
浴びるように飲もう。明日も今日と同じこと。いや、
もっとすばらしいにちがいない。」とイザヤ書56章
12節より引用も。ラベルを眺めつつ勇気が湧いてくる。
※工藝風向ホームページより参照
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以前、所有していた密やかな結晶の文庫本は何かの折
に手放してしまった。密やかな結晶は2020年度の英国
ブッカー国際賞の最終候補に残るなど、刊行から25年
以上も評価され続けている。もう一度、読んでみようと
検索すると新装版となっていた。表紙は西浦裕太氏の
作品である。小説の消失し朽ちていくイメージを彷彿
させる。もう一度小説の世界を時間をかけて楽しもう。
はかなさの中にある美しさ。そんなことを考えながら、
家にあるもので、その雰囲気を持つものを集めてみた。
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![](https://assets.st-note.com/img/1656803209242-heaqrDxBV7.jpg?width=1200)
旅に出たり、雑貨を選んだり、本を読んだり、日々生活
をする中でいろんなものが目に止まる。きらびやかな
ものより、はかないもの、朽ちるもの、時間の経過した
ものに美しさを感じている。これからも、その美しさ
を生み出すものに近づき、味わっていきたいと思う。