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有田のうつわの風景にふれる旅。上有田駅を降りて、 ゆっくりと町の景色を楽しんだ。折り畳みの自転車に 乗ったり、降りたりと、風景に合わせて、めぐる速度を 変える。有田駅につけば、そこで自転車をたたんで、 また日常のある博多へと戻る日帰りの旅。博多から 訪れる、ほんの一日の非日常の時間を楽しんでいる。 昨年の7月の旅で通りがかったILHAは開店前
有田の町を旅した。そこはやさしい色であふれていた。 雛まつりの飾りに、白磁に淡い青、年月を経た壁の色、 さまざまな色合いを見せるトンバイ。有田には400年 の時が流れている。そこには、時間に寄り添うように 淡い色が満ちていた。そして年月とともに、時を刻み ながら褪せていく色は、有田の風景をやわらかく彩る。 内壁や天井は名尾手すき和紙により当時の姿へ。
有田の余韻に浸っている。有田といえばうつわの町。 そしてそこでは、昔ながらの町並みを楽しむことが できる。有田内山の町並みは、自然にできたわけでは なく、町の人たちの思いがつながり、守られ育てられ てきたもの。決して容易なことではない。そんな町並み で出会った有田をつくる町の顔を振りかえってみる。
有田の旅。そこには、時の経過を感じる風景が広がる。 美しいと思う。受け継がれている心と技、その思いを。 旅をしただけでは、わからないことがあるが、感じる ことはできる。その感覚が、旅を特別な体験へ変える。 旅を続けよう。その風景にあるがままに身を委ねる。 次は、うつわの町ならではのトンバイ塀の裏通りヘ。 トンバイ塀は、登り窯で使用した耐火レンガを赤土で 固めたもの。火のあたり具合で様々な表情を見せる。
トンバイ塀のある裏通りを抜け、また表通りへと戻る。 そこには有田の昔ながらの町並みが続いている。古き ものが使い続けられている。前回の旅では、有田の町を 自転車で駆け抜けた。今回はゆっくりと見てまわろう。 ARITA PORCELAIN LABは弥左ヱ⾨窯から生まれた モダンでスタイリッシュな有田焼のブランドである。 デザインはYosuke Tuguchi氏。デザインの力を感じる 有田を訪れたのは2月の半ば。有田雛のやきも
深川製磁本店の向かいには、西洋館が建っている。 緑の円柱に支えられたバルコニーが特徴的な建物。 優しい色合いでも、 有田の街並みに存在感を放つ。 木造2階建ての寄棟造り、その疑似洋風建築の名 は旧田代家西洋館。有田焼の買い付けに訪れていた 西洋人をもてなすため、有田を代表する貿易商の 田代助作により、明治9年(1876年)に建てられた。 2018年には国の重要文化財にも指定されている。
前回の旅では、自転車で走り抜けるだけであった有田 の町。今回は小さな自転車でゆっくりと巡る。まずは、 上有田駅を降りてすぐの丸兄商社に立ち寄った。次の 目的地の有田町歴史民俗資料館は建築家の内田祥哉氏 の設計で、以前にも佐賀にある他の建物も巡ってきた。 佐賀県立図書館、佐賀県立博物館、九州陶磁文化館と、佐賀県を代表する建築の設計を手掛けた内田祥哉氏。
三川内山のやきものの里から始まった旅も、そろそろ 終わりに近づいている。有田町を越え、伊万里にある 大川内山はもうすぐだ。本当はもっと早く着くはずも、 寄り道は旅につきものなので仕方ない。残された時間 を楽しもう。大川内山は江戸時代、佐賀藩(鍋島家)の 御用窯が置かれた地。今に伝わる鍋島焼のふるさとだ。 手摺の向こうには陶
有田町庁舎を後にし、北を目指す。有田に広がる山並み を眺めながらのサイクリング。目的地までの道のりは 長いが道は平坦ですいすいと進む。それでも、ときおり 目にする建物に足を止め、また進むの繰り返し。時間を 気にしつつも、目の前のものが気になるのは仕方ない。 「献上しますて。」楽しげな商品が扱われている。