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サブアカ=SNS疲れ?

先日、Z世代のSNSとして注目される「BeReal」についての記事を書きました。

BeRealでは、若者の「SNS疲れ」によって閉ざされたSNSへのニーズが高まり、「盛らない」「小グループ」でのやりとりが人気となっています。日経新聞(10月30日付)でも、Z世代が再び「閉じた」SNSを求める傾向が取り上げられており、そこでは「パラレル」「TapNow」「Jiffcy」といったクローズドなSNSが紹介されていました。

「再び」という表現が使われているのは、日本ではSNSがそもそもmixiという完全招待制のSNSから始まったことが背景にあります。もちろん、Z世代やα世代にはmixiの存在を知らない人も多いでしょうから、彼らにとっては「再び」ではなく「新しい」ものに映っているかもしれません。

今回、この記事を読んで私が気づかされたのは、SNS疲れと若者が複数アカウント(サブアカ)を持つことが深く関係しているということです。記事によると、15~24歳の平均アカウント数はインスタグラムで2.28個、X(旧Twitter)で2.45個だそうです。

最初は「SNSに疲れているなら、いくつもアカウントを持つ必要はないのでは?」と疑問に感じていました。そもそも、なぜサブアカのようなめんどくさい作業を好んでするのか理解しにくかったからです。その理由は、以下のように解釈できるでしょう。

  • 若者は、いくら疲れてもSNSから離れたくない=つながりや共有の楽しさは維持したい

  • しかし、増えすぎたつながりやフォロワーが負担になってくる

  • その結果、別のアカウントを作り、新たに小規模なグループで交流する

こうして、サブアカウントを作り、それを小グループで使うというサイクルが繰り返されることでアカウント数が増えていくわけです。

記事でも指摘されているように、SNS疲れの一因は、多くの人に評価される「映え」を意識した投稿や返信の義務感です。こうしたSNS上の「負担」や「義務」が増すと、ユーザーは特定のコミュニティや親しい友人の間だけで気軽に発信できる場を求めるようになります。その結果、プライベートなつながりごとに複数のアカウントを使い分けたり、クローズドなSNSを利用する動きが増えているのです。

特に、限られたコミュニティでのやり取りは心理的に「軽さ」をもたらし、SNS疲れを和らげる手段として活用されています。

先日、日経「やさしい経済学」の連載「ソーシャルメディアの光と影」でも、SNSのあり方や、より良い使い方について模索が続いていると指摘されていました。私たちもまた、SNS疲れとつながり方のバランスを模索している途中と言えるのかもしれません。


#日経COMEMO #NIKKEI

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