「21世紀の資本」を英語で少しづつ読み進めています。英語で読むというベネフィットは読み飛ばすことができないことです。一文一文をしっかり読んでいると内容の理解度も上がります。
29日目:151ページから154ページ
ここではアメリカのcapital/income ratio と欧州を比較します。アメリカは新しい世界であり広大な土地があるなかで資本の占める割合が大きくないという特徴があります。
いずれにしても、重要な事実は、20世紀においてアメリカ合衆国がヨーロッパよりもはるかに安定した資本/所得比率を享受していたということです。これは、アメリカ人がヨーロッパ人よりも資本主義に対してより好意的な見方をする理由なのかもしれません。
30日目:155ページから157ページ
植民地から独立という道を辿ったアメリカはヨーロッパとは海外資本に重要性を置かないという大きな違いあります。
要約すると、アメリカ合衆国の純外国資産の位置付けは時にわずかにマイナスになったり、他の時にはわずかにプラスになったりしますが、これは、アメリカ市民が所有する資本の総額と比較して常に相対的に限られて重要性しか持っていませんでしたを(常に5%未満、通常は2%未満)。
31日目:158ページから161ページ
北米の資本の中で見逃してはいけないのは奴隷が資本の大きな構成要素であることです。
調査によると、19世紀後半のアメリカにおいて、奴隷の総市場価値は米国の国民所得の約1年半分に相当し、これは農地の総価値とほぼ等しいとされています。この事実は、当時の経済における奴隷制度の経済的重要性を示しています。
32日目:162ページから166ページ
資本蓄積の長期的なダイナミクスを説明する公式「β = s / g」が登場します。ここで、β(ベータ)は資本/所得比率を、s(エス)は貯蓄率を、g(ジー)は経済成長率をそれぞれ表します。
この式は、資本主義の第二の基本法則と見なすことができ、明白だが重要な点を反映しています。つまり、多くを貯蓄し、成長が遅い国は長期的に見てその所得に対して膨大な資本ストックを蓄積することになり、これが社会構造や富の分配に大きな影響を与える可能性があります。
33日目:167ページから170ページ
少しの成長率の変化が資本/所得比率に大きな影響を与えることについて、
ある意味では、これは良いニュースです:資本は理論的には全員にとって有用であり、事が適切に組織されれば、誰もがそれから利益を得ることができます。しかし、別の観点からは、これは富の分配がある状態で、資本の所有者が全経済資源のより大きなシェアを潜在的にコントロールできることを意味しています。
34日目:171ページから173ページ
1970年から2010年までの先進国における資本/所得比率を比較します。1980年代に急速に伸び、1990年に入ると急降下します。
1980年代に、日本では私的資本の価値が急激に上昇し、10年の始めには国民所得のわずか4年分以上から、10年の終わりにはほぼ7年分にまで増加しました。この著しい、かつ極めて急速な増加は部分的に人為的なものでした。なぜなら、私的資本の価値は1990年代初頭に急激に下落し、1990年代半ば以降は国民所得の約6年分で安定しました。
35日目:174ページから176ページ
日本のケースは象徴的です。1980年代に資本/所得比率が著しく増加し、1990年代初頭に急激に下落した背景を理解しようとすると、支配的な現象は不動産と株式におけるバブルの形成とその崩壊であったことが明らかです。
しかし、1970年から2010年の全期間にわたる進化を理解しようとすると、価格効果よりも量の効果が優勢であったことが明らかです。1970年に国民所得の3年分であった日本の私的富が2010年には6年分に増加したという事実は、貯蓄の流れによってほぼ完璧に予測されています。
また、来週、ご報告します。